今更ながらのベートーヴェンの交響曲全集ですが…
作曲者 : BEETHOVEN, Ludwig van 1770-1827 独
曲名  : 交響曲全集
演奏者 : オイゲン・ヨッフム指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
CD番号 : UCCP-3293/7

この全集を最近購入したものの一つだけれど、クリュイタンスの全集と比べられる唯一の全集ではないだろうか?何と言っても1960年代後半のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は無敵だ。このオケのアンサンブルの美しさ、奏者の水準の高さはもう神懸かりである。ハイティンクの録音の数々も、このスーパー・オケあってこその名演であった。(ハイティンクが凡手であると誤解なきよう…)
そのオケが最も元気だった時代の代表的な録音と言えば、ハイティンクとのマーラーとブルックナーの全集であろう。ブルックナーは1970年代終わりから再録音をはじめたが、これはもう決定盤というべき名演が並んでいるが、残念なことに、ウィーン・フィルやベルリン・フィルという他流試合で、全くつまらない結果を残してそのままとなってしまったのは痛恨の極みであろう。
まあ、それはともかく、このベートーヴェンの全集である。なんと良い演奏なのだろう。
第1番は一年あまり前だったと思うが、シュナイト氏指揮の音楽堂シリーズでとてつもない巨大な演奏に絶句したけれど、あれを別にすれば、このヨッフムの指揮で聞く第1番は最高級の名演だろう。
全体に1970年代後半、このコンセルトヘボウ管との全集から10年ほどたったロンドン交響楽団との全集と解釈はほとんど変わらない。
第九の第1楽章冒頭のテーマがクレッシェンドしていく過程でホルンを強奏させるなど、特徴は共通している。
しかし、オケが違うのだ。ロンドン響も良いオケだけれど、天才クレバースやマヒューラ、ブルワーザーなどが在籍していたコンセルトヘボウ管は当時最強だったのだ。もう比べる相手が悪すぎる…。
ヨッフムのこの前に録音したモノラル混在の全集からすれば、このコンセルトヘボウ盤は完成度という点で長歩の進歩がある。
解釈は同じでも、一曲一曲時間をかけて練り上げた完成度の高さが、フィリップスの優れた録音陣によって実現されている。
ロンドン響盤では細部の仕上げがちょっとルーズなところもあったりして、評論家たちが賞めているわりに、私とは大して感心せず、CDもどこかにやってしまったままであるが、このコンセルトヘボウ管との録音はそれとは別次元の出来なのだ。
「田園」の嵐の場面は完璧だった。この効果こそベートーヴェンの意図したものだと確信する。大量に持っているベートーヴェンの交響曲の全集の中でもこのヨッフムの全集は、クリュイタンス、セルなどのものとともに、私にとってかけがえのない1セットとなりそうだ。
聞き終えたらオークションか中古屋にさっさと売りに行くつもりでいたのだけれど、永久保存に一挙に格上げとなった次第である。
市場にあるうちに見かけたなら、ぜひ購入をお薦めしたい。
今、第8番にはいったところ…。いやなんて良い音楽なのだろう!!!
by Schweizer_Musik | 2008-12-06 21:01 | CD試聴記
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