B級?いや、A級… -03. パイネマンのドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲
作曲者 : DVOŘÁK, Antonín 1841-1904 チェコ
曲名  : ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53 B.96・108 (1879-80)
演奏者 : エディット・パイネマン(vn), ペーター・マーク指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
CD番号 : TOWER(Grammophon)/PROA-164

パイネマンを知っている人ってどのくらいいるのだろう?かつて、ペーター・マークを集めていた頃に知った演奏だけれど、最近タワー・レコードの企画から復刻された一枚。
Wikiに簡単な彼女の略歴が載っているのでご参考まで。
ヴァイオリンはさすがにミュンヘン国際コンクールに入賞するだけのことはあり、実に達者なもので、音が美しくやや太い。昔なら男性的と評されただろうが、今はそうした評は不適切。なよなよとした男性もいれば、力強い女性もいるからだ。
この曲は最初に聞いたのはナタン・ミルシテインの録音だった。共演がスタインバーク指揮ピッツバーグ交響楽団で、格調の高いオケで、当時は充分に満足していたのだけれど、次第にもっと色々と表現してもいいのではと、ちょっと物足りなくなっていった。ミルシテインのヴァイオリンは情熱的でワクワクさせてくれたのだけれど…。
そうした中、ヨゼフ・スークとノイマンとチェコ・フィルという組み合わせで聞いていたく感動したし、ルッジェーロ・リッチがサージェントとロンドン交響楽団のいささか荒っぽいオケと共演した血湧き肉躍る演奏にも出会ったけれど、いずれも帯に短したすきに長し…。どうもピッタリと来ないのだ。
人から薦められて聞いてみたパールマンとバレンボイムによるEMI盤は整っているけれど間延びしてしまってどうも…だった。きれいでとても整っているのだけれど、もう少し力強さというか、強引さもあって良いのにと、またまた無い物ねだりをしてしまうのだった。
結構好きな曲なのに、これといった録音が無い中、このパイネマン女史の録音に出会ったのだった。
格調と力強さ、適度なアグレッシブな音楽への姿勢がこれほど上手くマッチした演奏はない。いやヴァイオリンだけでなく、私は贔屓のペーター・マーク指揮のチェコ・フィルの演奏がとても好きなのだ。
オケだけに限れば、この曲のいくつもの演奏の中でも抜群の出来映えだ。ノイマンも自信の満ちあふれていて悪くはなかったが、同じをオケを振って私ははるかにペーター・マークの方が好きだ。
パイネマンはロスタルの弟子だそうだ。演奏の中に感じられる気品のようなものは師ゆずりなのだろうか?
ドヴォルザークのこの作品の理想的な演奏として、私にはこの一枚はかけがえのないものとなっている。タワーの企画で格安!!LPはとんでもなく高価だったとか聞いているが、みなさんいかが?
by Schweizer_Musik | 2008-12-18 03:20 | CD試聴記
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