ジャレル編曲によるドビュッシーの練習曲…面白い!!
作曲者 : DEBUSSY, Claude 1862-1918 仏
曲名  : 12の練習曲 (1913-15)より (M.ジャレル編曲)
演奏者 : 準・メルクル指揮 フランス国立リヨン管弦楽団
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いや、ドビュッシーのオーケストラ編曲はいろいろあるけれど、練習曲の編曲があるとは知らなかった。ジャレルはジュネーヴ音楽院の教授だったと思うけれど、インスピレーションに満ちた素晴らしい編曲で、これは素晴らしいと思った次第。
準・メルクルのシリーズは第2集となるが、第1集が細川俊夫氏の作品とカップリングの一枚とタイトルが重なり、購入となるとちょっと二の足を踏んでしまうけれど、ミュージック・ライブラリーでいつでも聞けるならば特に問題もなし…である。

たった3曲(第9,10,12番)だけであるが、現代音楽の世界でも人気のある作曲家だけにオーケストレーションの見事さは大変勉強になった。第9番の木管のハーモナイズがとても繊細で、無機的な(と私が勝手に思いこんでいた…)楽譜から、あのドビュッシー独特の響きを導き出している。
第10番「対比的な響きのための "Pour les sonorités opposées"」での息の長いフレーズを弦を主体に担当させ、木管やハープがそれに様々な色彩を与えていく様はまさに聞き物!!
圧巻は第12番。この曲には確かにちょっとスパニッシュな味わいがあるなぁと思っていたし、オケになりそうな気がしていたけれど、ここまでピタリとはまっているとは思っていなかった。
中間部は明らかに「海」のオーケストレーションに習って作られているが、ドビュッシー独特の響きをとてもよく再現している。ああこのスコアがほしい!!
これを実現したのはフランス国立リヨン管弦楽団の演奏があってこそである。
本場ものとかには全く興味はないけれど、ジャレルという作曲家のインスピレーションを素晴らしい演奏で音にして我々に届けた準・メルクルとフランス国立リヨン管弦楽団に最高の讃辞を呈したい。
もちろん他の作品もとても良い演奏で、文句なし!なのだが、話題性という点からこれを選んだ。
ジャレル氏は細川俊夫氏とも親しく、そういう交友の中で二枚の曲目の重複したCDが作られたのかも知れない。私はそれに不満を述べるつもりは全くない。こうしてナクソスで両方とも聞けるのであるから。
新着もわかるようになって、とても使いやすくなった。今年も私たちの音楽生活をより豊かにするのにぜひがんばってもらいたいと思う。(私はナクソスのまわし者ではありません!…笑)
by Schweizer_Musik | 2009-01-04 01:44 | ナクソスのHPで聞いた録音
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