ザンデルリンクの指揮する大地の歌
作曲者 : MAHLER, Gustav 1860-1911 オーストリア
曲名  : 交響曲「大地の歌」(1907-8)
演奏者 : クルト・ザンデルリンク指揮 ベルリン交響楽団, ペーター・シュライヤー(ten), ビルギット・フィニレ(m-sop)
このアルバムは こちら

これも買いそびれてそのままになっていた一枚。時々某オークションなどで入札したりしていたのだけれど、まだ落札に至っていなかったもの。ナクソス・ミュージック・ライブラリーにアップされたので、もうそんないらぬ出費はしなくてもよくなったことは有り難い。
ザンデルリンクの濃厚なロマンチシズムにメロメロにされてしまうが、やはりメインは熱い歌い方で「えっ?!」と驚かされたペーター・シュライヤーである。
声質が明るく軽いため、この曲に似合わないのではと思ったが、それを表現の激烈さで見事にカバーしている。いや、こんなシュライヤーは、あの謹厳なバッハの宗教作品での歌唱からはちょっと想像がつかない。
試しに、第5楽章「春の日を酔いて暮らす "Der Trunkene im Frühling"」を聞いてみると良い。こんなに弾けなくても…と思うが、説得力は間違いなくある。
一方で、カラヤンの「ラインの黄金」でも歌っていたビルギット・フィニレの冷徹な歌い廻しが対照的で、印象に残る。これまた声質に今ひとつ魅力に欠ける点はあるものの、まずは合格点というところか?。若干、ハスキーに感じるというか、音程がふらつく面もあり、終楽章でややそうしたところもなきにしもあらず…。
それは、オケの雄弁さに誘われ、時にオペラチックに歌い上げるものの、そうしたところでやや不安定さが出ているのであろう。
個人的にはクレンペラー盤のルートヴィヒが最高の歌唱として私は思っていて、なかなかそれに迫る歌唱には出会えずにいる。今回も少し惜しいと思った。何故ならオケがクレンペラー盤に迫るとその上をいく雄弁さ、仕上がりの良さなのだ。
歌手が違っていたら…。そんなことを思ってしまったが、いずれにせよ、「大地の歌」の名演には違いない。録音もなかなかに良い。
このところ、Berlin Classicsばかり聞いているが、このクオリティの高さ!旧東ドイツの威信をかけた録音の数々にただただ聞き入るばかりである。カプリチオとBerlin Classicsのナクソス参加は、やはり事件だった。
こうして、私の音楽生活は更に豊かになっている。感謝!である。(何度も書いているが、私はナクソスのまわし者ではありません!!悪しからず…)
by Schweizer_Musik | 2009-02-14 23:53 | ナクソスのHPで聞いた録音
<< 聖母マリアのエリザベト訪問を記... ノイマンのゲヴァントハウス時代... >>