「夜のガスパール」分析 その2
第1曲「オンディーヌ」その1

オンディーヌは水の精である。
オンディーヌが窓を叩く。「聞いて下さい…」彼女の住む水の城のこと、父のことなどを語り、美しい指輪を見せて、私と一緒になって水の城で永遠の命を得て暮らそうと誘うが、それを断ると豹変し、オンディーヌは高らかな哄笑とともに消え去る。
そんなベルトランの詩にインスピレーションを得て書かれた曲がこの作品である。
ベートーヴェンの14番のソナタ(「月光」という名で有名なあの作品)の第1楽章と同じ形式を踏んでいて、緩徐楽章のソナタ形式とするのが一般的(メシアンの分析)。
第1主題と第2主題がほとんど同じ素材で出来ているので、普通に思い浮かべるソナタ形式とはかなり異なるが、ベートーヴェンの作例が示すように、緩徐楽章型のソナタ形式では主題間の対比はあまり重視されないので、三部形式とするよりもソナタ形式と考える方がわかりやすいだろう。
第一主題を次に示す。
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c0042908_7231741.jpg嬰ハ長調の主和音にA音を付加した震えるようなトレモロ。それに乗って左手でGis-H-Disという音を中心とした第1主題が奏でられる。
これを和音として表すと右のようになるだろう。
この音楽はヘキサトニック(6音音階)のCis-Dis-Eis-Gis-A-Hという音階で出来ていることがわかる。H音は5小節目で♯がついて変化する。
この主題はa-a-2bの4小節の構造を持ち、移調して確保が行われる。それは次の少しだけあげておく。
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この移調しての主題の確保は和音に少しだけ変化を加えたものになっている。
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この話、続く。
by Schweizer_Musik | 2009-04-01 07:25 | 授業のための覚え書き
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