知らなきゃ恥ずかしい名曲 + @ (S) -02
シューベルトを趣味的に選択しているだけで時間があっという間にたってしまった。バッハをあんなに削ったのを後悔しつつ、大好きなシューベルトに浸りきった一日である。それにしても朝から地震が来たかと思えば、台風で、なにやら慌ただしい一日であったが、私はホントに静かな一日を過ごしている。というわけで、シューベルトだけ…という体たらくで今日はおしまい。もう少ししたら出かけなくてはならない。今日は遅くなるので…。


シューベルト(SCHUBERT, Franz Peter 1797-1828 オーストリア)

602) 交響曲 第4番 ハ短調「悲劇的」D.417 (1816)
演奏はジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団

ちなみに、ノットの全集は全て推薦できる大変クオリティの高いものばかり。
第1番, 第3番
第2番, 第4番
第5番, 第6番
第9番「グレート」

603) 交響曲 第5番 変ロ長調 D.485 (1816)
演奏は弦の美感に欠けるもののシャンドール・ヴェーグ指揮カメラータ・ザルツブルクが平均点でなんとかノットの録音に近いところに行きそうだ。
だが、それなら古いモノラルのブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏があるので、少々音が悪くても良いならば、古い世代のこの曲のスタンダードな解釈の姿を知る上でも聞いておくと良いだろう。

604) 交響曲 第7(8)番 ロ短調「未完成」D.759 (1822)
演奏はクルト・マズア指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
少し編成の少ない演奏ではシャンドール・ヴェーグ指揮カメラータ・ザルツブルクの演奏が見通しがよく、知性と情感のバランスがとれていて良かった。ただ弦の美感に欠けるのは神奈川フィルハーモニーを聞きつけている私にはちょっときつい。ヴェーグ先生はいても石田がいないのは惜しいところである(笑)。

605) 交響曲 第8(9)番 ハ長調「グレイト」D.944 (1825?-28)
演奏はギュンター・ヴァント指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が悠然としたテンポでスケール雄大。ベルトラン・ド・ビリー指揮ウィーン放送交響楽団は筋肉質の颯爽とした演奏で、気持ちがよい。コリン・デイヴィス指揮ドレスデン・シュターツカペレは「腐っても鯛」の典型。ただオケは昔日の面影程度で、実態はずいぶん惚けている…のは残念である。
他にもいくつか聞いたが一長一短であった。

606) 劇音楽「魔法の竪琴 "Die Zauberharfe"」D.644 (1819-20) 〜 序曲 (劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」版)
演奏は音は古いがブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団が良い。
更に古い録音であるが、ウィレム・メンゲルベルクロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏がある。味わい深さではピカイチで、ナクソスの復刻は私の知る限り、最も状態の良いものである。
ただ、古い録音ばかりでは厳しいので、新しい録音から探すとすれば、シューベルト序曲全集が良い。
第1集第2集ともにお薦めで、この序曲もここ(第2集)に収められている。(演奏はクリスティアン・ベンダ指揮 プラハ・シンフォニア)
また劇音楽から間奏曲などならアダム・フィッシャー指揮 ハンガリー国立管弦楽団で聞くとよい。

607) ピアノ五重奏曲 イ長調「ます」Op.114 D.667 (1819)
演奏はペーター・レーゼル(pf), カール・ズスケ(vn), ディーター・ハルマン(va), ユルンヤーコブ・ティム(vc), ライナー・フッケ(cb)

608) 八重奏曲 ヘ長調 Op.166 D.803 (1824)
演奏はベルリン・フィルハーモニー八重奏団

609) 弦楽四重奏曲 第13番 イ短調「ロザムンデ」Op.29-1 D.804 (1824)
演奏はブランディス四重奏団

610) 弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調「死と乙女」D.810 (1824-26)
演奏はブランディス四重奏団

611) ピアノ三重奏曲 第1番 変ロ長調 D.898 / 第2番 D. 929
演奏は若干よたっているもののこれまた腐っても鯛…ボロディン・トリオ

612) 弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.163 D.956
演奏はアイザック・スターン(vn), アレクサンダー・シュナイダー(vn), ミルトン・ケイティムス(va), パブロ・パウ・カザルス(vc), ポール・トルトゥリエ(vc)というカザルス音楽祭での録音だったと思うが、かつてCBS-SONYから出ていた録音がナクソスにひっそり置かれているのは幸運であった。古いモノラルながら、この演奏から学ぶものは大きい。
新しいものであれば、フォーグラー四重奏団, ダニエル・ミュラー=ショット(vc)によるものが平均点で高い。ただ残響が多すぎるのは考え物だが…。

613) アルぺジョーネ・ソナタ イ短調 D.821 (1824)
演奏はアンネ・ガスティネル(vc), クレール・デサール(pf)はガスティネル自身がチェロ用に編集した楽譜を使っているそうだ。大変美しい演奏で、変に低音が唸ったりしないので聞きやすい。とびきりのテクニックと音楽性で魅了されてしまった。

614) 幻想曲 ハ長調 Op.159 D.934 (1827)
演奏はトーマス・ブランディス(vn), ブルーノ・カリーノ(pf)がなんとかこの名作の演奏として及第点があげられる。他はやや厳しい…。古いアドルフ・ブッシュとゼルキンの演奏が耳に残っていて、どれも物足りなく聞こえるのだ。ブランディスはその中では健闘したと言える

615) ピアノ・ソナタ 第13番 イ長調 D.664 (1819/25)
フォルテ・ピアノによる演奏はマルコム・ビルソン(pf)で、これは古いピアノのおそらくはレプリカを使用しての録音だが、なかなか音楽的で、かつてモーツァルトの協奏曲で聞かせた弾むようなリズム感が穏やかになって良いバランスを聞かせている。
普通の現代ピアノではワルター・クリーン(pf)が良い。

616) ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 D.845 (1825)
演奏はワルター・クリーン(pf)

617) ピアノ・ソナタ 第18番 ト長調「幻想」D.894 (1826)
フォルテ・ピアノによる演奏でハワード・シェリー(pf)の演奏はなかなか良い。
現代ピアノの演奏ではワルター・クリーン(pf)が繊細すぎるかもしれないが、美しい。
ただ、よりスタンダードな演奏としてはゲルハルト・オピッツ(pf)をあげておこう。

618) ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D.958 (1828)
演奏はディーター・ツェヒリン(pf)ワルター・クリーン(pf)

619) ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D.959 (1828)
演奏はゲルハルト・オピッツ(pf)ワルター・クリーン(pf)

620) ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960 (1828)
演奏はアニー・フィッシャー(pf)
もう一つ、これまた古いステレオ録音でリリー・クラウス(pf)
ノイズが気になるならワルター・クリーン(pf)が良い。

621) 4つの即興曲 D.899 / 4つの即興曲 D.935 (1827)
4つの即興曲 D.899はペーター・レーゼル(pf)
4つの即興曲 D.935はディーター・ツェヒリン(pf)
一緒に入っている録音で少し古いがアルフレート・ブレンデル(pf)も良い。

622) 楽興の時 D.780 (1823-38)
演奏はアルフレート・ブレンデル(pf)

623) 幻想曲 ハ長調「さすらい人」D.760 (1822)
演奏はペーター・レーゼル(pf)
リスト編曲のピアノ協奏曲版はアルフレート・ブレンデル(pf), ミヒャエル・ギーレン指揮 ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団

624) 歌曲集「美しき水車小屋の娘」Op.25 D.795 (1823) (W.ミュラー詩)
演奏はテノールならペーター・シュライヤー(ten), ワルター・オルベルツ(pf)クリストフ・プレガルディエン'ten), ミシェル・ギース(pf)。最近はこのプレガルティエンが私の好みだ。ピアノも大変優れている。
また、ヨーゼフ・プロチュカ(ten), ヘルムート・ドイチュ(pf)の演奏はピアノの雄弁さに驚くと共に若々しい力がみなぎるかのようなプロチュカの歌声に魅了される。
ちなみに、ペーター・シュライヤーには、ギター(ラゴスニック)との珍しい録音もある。→こちらはちょっと珍品とまではいかないけれど(結構よくやられているようだから)わざわざギターでやらなくても…と私は思う。
バリトンでならジークフリート・ロレンツ(br), ノーマン・シェルター(pf)
往年の名盤であるゲルハルト・ヒュッシュ(br), ハンス・ウド・ミュラー(pf)も忘れてはならないだろう。

625) 歌曲集「冬の旅」D.911 (1827) (W.ミュラー詩)
演奏はテノールではイアン・パートリッジ(ten), リチャード・バーネット(pf)が良い。ピアノ・パートはフォルテ・ピアノで演奏しているのが特徴だが、それよりも歌が素晴らしい。これはバリトンで歌うとどうしても年寄り臭くなってしまうので、やっぱりテノールが合っているように私は思う。
だが、N.フォーゲットによる室内楽編曲された伴奏で歌うのはクリストフ・プレガルディエン'ten)だが、同じような試みはいくつもあるけれど、これはアコーディオンの使用がうまくはまっていて良いと思う。
バリトンで歌われたものの中ではローマン・トレーケル(br)にちょっと心が動くが、ピアノがあまりに平板で、ただ伴奏していますというだけではつまらない。ドラマの背景がただの白い壁という感じである。
その点、マルッティ・タルヴェラ(bs), ラルフ・ゴトーニ(pf)の演奏はとてもドラマチックで物語の悲しさ、音楽の深さを感じさせてくれる。ただ、これが若者の物語というよりを若者の悲しみを優しく見つめる老人のような感じになってしまうのはどうもピッタリこない。
もう一つ、私のような世代のものにはこのテオ・アダム(bs), ロドルフ・ドゥンケル(pf)の演奏は懐かしいのではないだろうか。かつて「冬の旅」のイメージはこの演奏とハンス・ホッターの歌で私の場合は作られたのだった。それが本当は違っていたと思うようになったのは、ずっと後のことだった…。
白井光子(sop), ヘルムート・ヘル(pf)夫妻の演奏もなかなか味わい深い。この曲も近年女声での録音が増えてきたが、やっぱりちょっと客観的な感じがするのは私だけだろうか?

626) 歌曲集「白鳥の歌」D.957 (1828)
演奏はクリストフ・プレガルディエン(ten), アンドレアス・シュタイアー(pf)はフォルテ・ピアノで演奏しているが、これは本当に素晴らしい名演!!
ペーター・シュライアー(pf), アンドラーシュ・シフ(pf)はライブ録音だが、素晴らしい名演。ピアノがどれだけ大切なのか痛感させられる。
バリトンで歌ったものではアンドレアス・シュミット(br), ルドルフ・ヤンセン(pf)がとても良いが、シフの伴奏を聞いた後で聞くとなんとも平板で残念。

627) 糸を紡ぐグレートヒェン "Gretchen am Spinnrade" Op.2 D.118 (1814) (ゲーテの「ファウスト」より)
演奏はエリーザベト・シュヴァルツコップ(pf), エドウィン・フィッシャー(pf)
もしくはマーガレット・プライス(sop), ジェフリー・パーソンズ(pf)

628) 野ばら "Heidenröslein" Op.3-3 D.257 (1815) (ゲーテ詩)
演奏はジェラール・スゼー(br), ジャクリーン・ボノー(pf)
もしくはエリーザベト・エバート(sop), ディーター・ツェヒリン(pf)
あるいはペーター・シュライヤー(ten), ワルター・オルベルツ(pf)

629) 魔王 "Erlkönig" Op.1 D.328 (1815) (ゲーテ詩)
演奏はジェラール・スゼー(br), ジャクリーン・ボノー(pf)
もしくはジークフリート・ロレンツ(br), ノーマン・シェルター(pf)

630) 子守歌 "Wiegenlied" Op.98-2 D.498 (1816) (作者不詳)
演奏はエリーザベト・シューマン(sop), ジョージ・リーブス(pf)

631) 死と乙女 "Der Tod und das Mädchen" Op.7-3 D.531 (1817) (M.クラウディアス詩)
演奏は白井光子(sop), ヘルム-ト・ヘル(pf)
もしくはジークフリート・ローレンツ(br), ノーマン・シェルター(pf)

632) ガニュメート "Ganymed" Op.19-3 D.544 (1817) (ゲーテ詩)
演奏はエリーザベト・シュヴァルツコップ(pf), エドウィン・フィッシャー(pf)

633) 音楽に寄す "An Die Musik" Op.88-4 D.547 (1817) (F.ショーバー詩)
演奏はエリーザベト・シュヴァルツコップ(pf), エドウィン・フィッシャー(pf)

634) ます "Die Forelle" Op.32 D.550 (1816末-1817) (C.F.D.シューバート詩)
演奏はジークフリート・ローレンツ(br), ノーマン・シェルター(pf)
もしくはマーガレット・プライス(sop), ジェフリー・パーソンズ(pf)

635) はなだいこん (夜のすみれ) "Nachtviolen" D.752 (1822) (J.マイヤーホーファー詩)
演奏はエリーザベト・シュヴァルツコップ(pf), エドウィン・フィッシャー(pf)

636) ミューズの子 "Der Musensohn" Op.92-1 D.764 (1822) (ゲーテ詩)
演奏はフリッツ・ヴンダーリッヒ(ten), フーベルト・ギーゼン(pf)
もしくはペーター・シュライアー(pf), アンドラーシュ・シフ(pf)

637) さすらい人の夜の歌 "Wandrers Nachtlied"「山々に憩いあり」Op.96-3 D.768 (1824) (ゲーテ詩)
演奏はペーター・シュライアー(pf), アンドラーシュ・シフ(pf)

638) 水の上で歌える "Auf dem Wasser zu singen" Op.72 D.774 (1823) (F.L.zu シュトルベルク詩)
演奏はエリーザベト・シュヴァルツコップ(pf), エドウィン・フィッシャー(pf)

639) きみは憩い "Du bist die Ruh" Op.59-3 D.776 (1823) (F.リュッケルト詩)
演奏はペーター・シュライヤー(ten), ワルター・オルベルツ(pf)
もしくはマーガレット・プライス(sop), ジェフリー・パーソンズ(pf)

640) 夕映えの中で "Im Abendrot" D.799 (1824,25) (C.G.ラッペ詩)
演奏はNathan Berg(bs-br), ジュリアス・ドレイク(pf)

641) 竪琴弾き 第1〜第3 D.478/479/480 (1822)
演奏はペーター・シュライアー(pf), アンドラーシュ・シフ(pf)

642) 夜と夢 "Nach und Träume" Op.43-2 D.827 (1823) (コリン詩)
演奏は白井光子(sop), ヘルム-ト・ヘル(pf)

643) エレンの歌Ⅲ「アヴェ・マリア」Op.52-6 D.839 (1825) (スコット作「湖上の処女」より/シュトルク独訳)
演奏はモニカ・グローブ(sop), ルドルフ・ヤンセン(pf)
もしくはエリーザベト・エバート(sop), ディーター・ツェヒリン(pf)

644) 春に "Im Früling" Op.101-1 D.882 (1826) (E.シュルツェ詩)
演奏はエリーザベト・シュヴァルツコップ(pf), エドウィン・フィッシャー(pf)

645) さすらい人が月に寄せて "Der Wanderer an den Mond" Op.80-1 D.870 (1826) (J.G.ザイドル詩)
演奏はアンドレアス・シュミット(br), ルドルフ・ヤンセン(pf)

646) シルヴィアに "An Sylvia" Op.106-4 D.891 (1826) (シェークスピア詩/E.v.パウエルンフェルト独訳)
演奏はエリーザベト・シュヴァルツコップ(pf), エドウィン・フィッシャー(pf)
もしくはフリッツ・ヴンダーリッヒ(ten), フーベルト・ギーゼン(pf)

647) リュートに寄せて "An die Laute" Op.81-2 D.905 (1827) (ロホリッツ詩)
演奏はフリッツ・ヴンダーリッヒ(ten), フーベルト・ギーゼン(pf)

648) ミサ曲 第5番 変イ長調 D.678 (1819-20)
演奏はヘルムート・リリング指揮 オレゴン・バッハ祝祭管弦楽団, 合唱団他

649) ドイツ・ミサ曲 D.872 (1826-27)
演奏はゲオルク・ラツィンガー指揮 レーゲンスブルク大聖堂合唱団他

650) ミサ曲 第6番 変ホ長調 D.950 (1828)
演奏は ヘルムート・リリング指揮 シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム, シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊他


歌曲をこまごまとあげたので、数が増えてしまった…。が、シューベルトは歌曲の人である。これを聞かないではシューベルトを味わったことにはならないのではないか?そう思い、高雅で感傷的なワルツなどを外して、歌曲を厳選したつもり。まだまだあげたいものがあるが、そうするともうきりがなくなってしまう。
また歌劇もいくつかあげようと思ったけれど、あまり一般的なレパートリーとはまだなっていないので、止めた。良い作品はあるのだが…。
by Schweizer_Musik | 2009-08-11 14:56 | 学生諸氏へ
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