ドゥーカンの弾くフォーレのヴァイオリン・ソナタ
作曲者 : FAURÉ, Gabriel 1845-1924 仏
曲名  : ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調 Op.13 (1876)
演奏者 : ピエール・ドゥーカン(vn), テレーズ・コシェ(pf)
CD番号 : WP(TOWER-RECORDS)/WQCC181〜3

タワー・レコードの企画もので、ドゥーカンの弾くフォーレを購入。あまりの懐かしさに今朝ちょっと聞いてみようと聞き始めたら、一番を一気に聞いてしまった。
私の今一番好きな演奏と言えばグリュミオーとクロスリーの演奏であるが、このドゥーカンは高校生の時、エラート・レーベルの廉価盤でレコードがすり切れるほど聞いたもので、もう全てのフレーズの歌い回しが頭にすり込まれているものだ。冒頭の柔らかいタッチで歌い始めるコシェのピアノに続いてでるドゥーカンの愛おしむようなヴァイオリンの歌い出しはゾクゾクさせる美しさで、作曲を習っていた早野先生のレッスンに行く日、これを聞いていて遅刻しそうになってしまったことなど思い出した。
フォーレだけは以前CDに復刻されていたと思うが、今回三枚組で、フランクやラヴェル、ルーセル、グリーグの三番それになんとシューマンのヴァイオリン・ソナタなども合わせて復刻されたのはありがたいことである。私にはフォーレでしか知らない幻のヴァイオリニストだったから…。
第2楽章の青白いゾッとするよな美しさ、第3楽章の軽やかさとはこうなんだと言いたくなるほどのスケルツォ、そして鼻歌のような何気ない始まりから優雅な世界にいつの間にか引き込んでしまう呼吸…。このフォーレはもう奇跡のような演奏としか言いようがない。
ラヴェルのソナタも素晴らしい演奏であったし、まだまだ色々書きたいことがあるけれど、それはまた今度。今回は色々と買い込んでしまったので、他にも触れたい名盤が目白押し…なのだ。
しかし、ドゥーカンはどうして数枚の録音だけでレコード産業と距離をおくようになってしまったのだろう?
by Schweizer_Musik | 2009-10-22 06:41 | CD試聴記
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