作曲者 : BEETHOVEN, Ludwig van 1770-1827 独
曲名 : ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58 (1805-06) 演奏者 : エマニュエル・アックス(pf), アンドレ・プレヴィン指揮 ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団 CD番号 : BMG/60476-2-RV プレヴィンつながりでとりあげるが、この演奏はこの曲の演奏の中でも1、2を争う名演であるが、これまた意外なほど誰も相手にしない。これとルプーの演奏が私の1位、2位で、どちらが上かはそのときの気分で違うだけである。 アックスは本当に良いピアニストなのにレコーディングに恵まれていないように思う。デュオが多いことで、伴奏ピアニストと思いこんでいる人も多い。伴奏を専門にしている人がみんな下手くそというわけではないし(当たり前だ!!)ソロが出来ないわけではない。 そんなことはみんな知っているのに、何故かレッテルを貼ってしまうとなかなか剝がれなくなるようである。 冒頭のソロは多分この演奏が一番上手い。簡単そうなのだけれど、あれほど恐ろしい部分はない。完璧でなければ音楽にならないし、その後の全てを決定してしまう数小節なのだ。 プレヴィンの指揮は完璧だ。長く低迷していたロイヤル・フィルを彼は見事に立て直したと思う。 大好きな終楽章など何度聞いても厭きないし、どこもかも輝きに満ちたアックスのピアノが敷き詰められてピロードのふかふかの絨毯の上を優雅に歩いていくような気分にさせてくれる。 ベートーヴェンだからと言って肩肘はってではなく、歌い、深くブレスをしてまた歌う。そんな中から伸びやかなフレーズと深い溜息が聞こえてくる。 第2楽章のピアノのモノローグに寄り添うプレヴィンの指揮するオケの共感ぶりはどうだろう。これこそ音楽ではないか。 お疑いの向きはどうぞ一度お聞きになってみられることをお薦めいたします。
by Schweizer_Musik
| 2009-12-11 07:55
| CD試聴記
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