ディーリアスの「ブリッグの定期市」をマーク・エルダーの指揮で聞く
作曲者 : DELIUS, Frederick 1862-1934 英
曲名  : ブリッグの定期市 (イギリス狂詩曲) (1907)
演奏者 : マーク・エルダー指揮 ハレ管弦楽団
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イギリスの民謡を主題とした一種の変奏曲がこの作品であるが、これが何とも美しい作品なのである。寒い昨日の雨空から一転、今日のように明るく晴れた冬の一日、暖かい部屋で聞くディーリアスは最高の贅沢である。
ハンドリーが昨年9九月、そしてヒコックスがまだ六十という年齢で昨年11月相次いでこの世を去って、今年、イギリスの音楽がちょっと寂しいと思っていたところでのエルダーの台頭は新しい時代をつげるものだった。
ハレ管弦楽団は、おそらくジョン・バルビローリの時代の輝きを取り戻したのではないだろうか。弦のアンサンブルがなんともトロリと甘く、管楽器がビロードのような肌触りでブレンドしていく。いや、絶品である。これぞ名演だ。
ナクソスで細かくトラックが区切られているとどうしてもつなぎ目が気になるが、これはそういう点でも聞きやすい。
ついでながら、グレインジャーの編曲した合唱版も収められている上、1908年に録音したという原曲の歌まで収められているという念の入れようで、ああイギリス人らしいなぁと大変好ましく思った。
民謡をディーリアスがどう料理したか、知る上でも貴重だ。私はグレインジャーの合唱編曲が好きで、いくつか聞いてもいるが、このジェイムス・ギルクリスト(ten), マーク・エルダー指揮 ハレ合唱団の演奏も素晴らしいと思った。これならば、ディーリアスのパート・ソング集なんて録音してくれないかなぁと思ったりもした。
イギリス音楽がお好きな方には特にお薦め!!
by Schweizer_Musik | 2009-12-12 17:12 | ナクソスのHPで聞いた録音
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