メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲をプレヴィンの指揮で聞く
作曲者 : MENDELSSOHN-BARTHOLDY, Felix 1809-1847 独
曲名  : メンデルスゾーン/劇音楽「真夏の夜の夢」序曲 "Overture" Op.21 (1826)
演奏者 : アンドレ・プレヴィン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
CD番号 : PHILIPS/35CD-580

妖精が飛んでいるみたいだった…と昨日お会いした方が話されていた。昨日の演奏を聞いてではなく、現田茂夫氏の演奏会の話であったが、なるほどと思う。この曲はそんな曲なのだから。
小澤征爾のCDても良かった。あれは吉永小百合さんの朗読が入っていて、ストーリーがちゃんと追えるので聞きやすいのだけれど、演奏はこちらがより私の好みに合っている。
録音もあまり残響を多くとりいれすぎないで、実に適度な塩梅でよろしい。そしてノープルで変なことを何一つしないプレヴィンの指揮にもよる。ウィーン・フィルの腕前が良いとか、今更ここで書く必要はないだろう。
それにしても、この曲、こんなにも良い曲なんだ。昨日聞いて、なんだかつまらないガサガサした曲だなぁと思ってしまったけれど…(笑)。
あちらが正しい作品の姿だと言われるならば、私は間違っていて結構だと思う。メンデルスゾーンさんの意見を今更聞くことは出来ないけれど、天国でそれで良いのだよと言ってくれているような気もする。
書かれたのは1826年。でも劇音楽としてまとめられ初演されたのは1842年であった。そして序曲の中の素材を使ってちゃんと劇中の音楽を作り上げ、全体をまとめ上げたメンデルスゾーンの力量のほどはもう圧倒されるしかない。わずか17才の青年の手になるものなのだ!今更であるが、彼の才能の早熟ぶりは凄まじいものがある。
それにしても昨日の神奈川フィルと違い、なんとも美しい音楽だ。神奈川フィルも普通に演奏すればこのぐらいできるのに…。

写真はウィリアム・テルの伝説の残るブルンネンの波止場の夕景。
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ここはルードヴィヒ王がワーグナーと面会すために泊まったというホテルが数年前まであった。残念なことに火事で永遠に失われてしまったが…。
by Schweizer_Musik | 2010-03-08 01:05 | CD試聴記
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