ボッシのオルガン協奏曲をメルダウとシュヴァイツェルの名演で聞く。超お薦め!!
作曲者 : BOSSI, Marco Enrico 1861-1925 伊
曲名  : オルガン協奏曲 イ短調 Op.100 (1900)
演奏者 : ウルリッヒ・メルダウ(org), ダニエル・シュヴァイツェル指揮 チューリッヒ交響楽団
CD番号 : MOTETTE/CD 40271

イタリア・ロマン派最後の巨匠ボッシはオルガニストとして大変有名だった。その代表作が多分これ。そして友人のダニエルの指揮したものの中でもこれは出色の出来映えで、私の愛聴する一枚でもある。
彼がいつも指揮をしているトーンハレの新しいオルガン(1988年ドイツのKleuker & Steinmeyer制作のオルガン)であることもあるのだろうが、十数枚ものメルダウ氏との共演を通じて熟成した見事なアンサンブルと、長年にわたって音楽監督をつとめ、育て上げたチューリッヒ交響楽団のアンサンブルの見事さがここに結実した思いである。
5年ほど前に、津田さんのチューリッヒ郊外のお宅に伺い、何日か逗留させていただいた時、ダニエルから頂いた一枚だった。その時はあまり意識もせずにいたけれど、この演奏は本当に素晴らしい!!
全3楽章の協奏曲は、ロマンチックでありながら堅牢な構成で出来ていて、サン=サーンスのオルガン付きの交響曲などよりもずっと上等に聞こえる。
オルガンとオーケストラの協奏作品には数々の名作があり、日本でもオルガンが設置されたホールも増えてきたことで、こうした作品も聞く機会が増えてきたけれど、やはりまだまだ多いとは言えず、サン=サーンスの交響曲第3番ばかりが演奏されているのが実体ではないか。
オーケストラのコンマスは多分ツィマンスキーさんではないかと思う。彼は先年亡くなられたアルミン・ジョルダンのスイス・ロマンド管弦楽団のコンマスだった人で、マニャールのヴァイオリン・ソナタの素晴らしい演奏がCDであるけれど、彼がコンマスに座っていた時代のチューリッヒ交響楽団の演奏は素晴らしいものが多い。

しかし、このCD、日本では多分ほとんど手に入らない。直接レーベルのホームページから購入することをお薦めしたい。こちらからぜひこの名演を手に入れて聞いてほしいと思う。
ダニエルには、夏にお会いすることができよう。楽しみだ。(彼が私をファースト・ネームで呼んでくれるので、私もそうしている…でもちょっとこう書いているけれど、尊敬する指揮者の一人でもあるので、ぎこちなさは否めない…恥ずかしながら…)

写真は毎日散歩を欠かさないというシュヴァイツェル氏の自宅近くの森の小道。この時はまだ春浅き頃だったので、冬枯れの森だったけれど、そろそろ新芽が出始めているのではないだろうか?
鎌倉も朝方はずいぶん寒かったけれど、日が昇ると大気が入れ替わったみたいに暖かく、いつもの四月に戻った。明日は散歩に出られそうだ。
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by Schweizer_Musik | 2010-04-17 18:38 | CD試聴記
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