オールド・リフレインをシェリングの演奏で聞く
作曲者 : BRANDL, Johann 1760-1837 オーストリア
曲名  : オールド・リフレイン (汝、古きシュテファン寺院の尖塔) (クライスラー編曲)
演奏者 : ヘンリク・シェリング(vn), チャールズ・ライナー(pf)
CD番号 : MERCURY/PHCP-20408



その昔、マイケル・レビンがオーケストラと共演して録音した豪華な演奏があった。高校生の頃、廉価盤で手に入れたその録音を毎日聞きながら「なんて甘い音楽なのだろう!」と思っていた。
ブランデルなんて作曲家はこの曲でしか知らない。多分、ヴィナー・リートの作家なのではと想像しているだけであるが、 クライスラーのこの編曲で彼は不滅になった…。
シュテファン寺院ではその昔ブルックナーの交響曲第8番を聞いたことがある。オケはどこかのユース・オケで指揮者の名前も憶えていないけれど、退屈はしなかった…。というよりロケーションがすごく感動的で、幻想的だった。ウィーンの夜のシュテファン寺院なんて入ったことが無かったからでもあるが…。
で、その尖塔はお金を払えばのぼれると聞いたけれど、私は行かなかった。でも上ればきっとウィーンの素晴らしい景色が眺められただろうけれど…。
シェリングのこの演奏はあまり取り上げられてないように思うので紹介しておきたい。こんなに良い演奏を聞かないでいるのはとてももったいないことだからだ。
弦の響きは決して甘くない。けれど美しく正確なピッチ(何をもって正確と言うのかはぜひ聞いてほしい…こんなきれいな左手の仕事ぶりを聞くことはそうないからだ…)の見本のような録音で、格調高い歌い廻しはこうした曲を曲の出来以上に聞かせてしまうことがあるということを教えてくれる。
またいつかウィーンに行って、ホイリゲの「はしご」をしたいと願っているが、なかなかそんな日はやってきそうもないのは残念だ…。

写真はそんなこととは無関係にスイスはルツェルン湖畔のウェッギスの船着き場で船の到着を待つ人々。何度も掲載したので恥ずかしいが、気に入った一枚なのでまた貼らしていただく。
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by Schweizer_Musik | 2010-06-23 08:07 | CD試聴記
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