チャイコフスキーの「悲愴」をユロフスキ指揮LPOで聞く
作曲者 : TCHAIKOVSKY, Pyotr Il'yich 1840-1893 露
曲名  : 交響曲 第6番 ロ短調「悲愴」Op.74 (1893)
演奏者 : ウラディーミル・ユロフスキ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
CD番号 : LPO-0039



これが出たのは昨年だったと思うが、ロンドン・フィルは若く、良い指揮者を手に入れたものだと思う。父親のユロフスキもいくつかCDを持っていたけれど、この息子ユロフスキもとても良い指揮者、それにまだまだ若い!!1972年生まれだから30代なのだ。
その彼のチャイコフスキーの交響曲を別にロシア出身だからというわけではなかったが(安かったので…笑)ITune−storeで購入して聞いてみた。「冬の日の幻想」が好きなので、そちらを書こうかとも思ったけれど、このくそ暑い時期に「冬の日の幻想」でもあるまいと思い直し、「悲愴」にした。
あまり好きな曲ではないのだけれど、この歳になるとヴァイオリン協奏曲やピアノ協奏曲第1番なんて曲は、仕方がないから聞いているというのが正直なところ。先日の芸大フィルハーモニアの演奏会も、選曲がヴァイオリン協奏曲だったので、やめておこうかと思ったほどである。
それでも、「悲愴」はやはりよく出来ているし、聞く度に新しい発見があるし、新しい録音が次から次へと制作されるおかげで、この三ヶ月あまりで私のHDに入った新たな「悲愴」は10種類もある。集めようなどとは全くないのだけれど、こんなにたくさんでは聞く方が追いつかない…。(ならば買わなければ良いのだが、聞いてみたい衝動には逆らえず…)
今もって、私のリファレンスはフェレンツ・フリッチャイの古いステレオ録音なのだが、この若いユロフスキの指揮するロンドン・フィルの演奏もまたなかなか素晴らしい演奏で、何しろ録音が新しい。アンサンブルもよく練れていて、弦楽の美しさ、金管の力強い咆哮はなんとも素晴らしい。
男泣きにむせぶ第1楽章展開部のクライマックスでは大きくテンポをおとし、これでもかとやるのは、確かに曲として筋が通っているし、説得力は抜群だ。フリッチャイもかなり思い切った演奏をしていたっけ…。
しかし、こうして聞くとやはり私にはちょっとついていけない何かを感じてしまう。曲の世界観が私の好きな世界とあまりにかけ離れているからだろう。いつも聞くにはこれはちと辛い。そういえばリファレンスなどと言っているフリッチャイの演奏を聞いたのは何年前だったっけ…。

ともかく良い演奏だ。若々しく、真っ正面から曲の世界にどっぷり浸かって、ガンガンに鳴らしている。ロンドン・フィルのポテンシャルの高さもよくわかる。誰にでも薦められる演奏だ。いやいや良い指揮者をロンドン・フィルは手に入れたものだ…。

写真はレッチェンタールの村はずれの外灯。遠くアルプスに雲がかかっていた。その日の午後は雨だった。アルプスの雨はハイキングなどのアウトドアにとって敵であるが、私のようにノンビリしている者にとってはそれもまた面白く…。
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by Schweizer_Musik | 2010-07-10 22:25 | CD試聴記
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