ドヴォルザークの「新世界」を懐かしのリンデンバーク指揮で聞く
作曲者 : DVOŘÁK, Antonín 1841-1904 チェコ
曲名  : 交響曲 第9番 ホ短調「新世界より」Op.95 B.178 (1893)
演奏者 : エドゥアルト・リンデンバーク指揮 北西ドイツ放送フィルハーモニー
CD番号 こちらに入会するとダウンロードできます。



はじめてこの曲を聞いたのがこの演奏だった。この後、ターリッヒのレコードを聞いてそちらがよくなってしまい、以来耳にすることはなかったが、昨年温故知新 Vol. 4 ヴァーツラフ・ターリヒ指揮の「新世界」で書いたとおり、iTuneでダウンロードして聞き直してみたら、結構良いじゃないかと思ったものである。
それが、classicjapanに置かれている。より聞きやすくなったのであるから、紹介しておこうと思ったのである。
このあまりにポピュラーな作品は、今となっては私の好みとは言えないけれど、やはりとてもよく出来ている作品だと思う。全曲をいくつかの動機を循環主題のように使ってまとめあげる手法は、十九世紀の様々な技法を彼が熟知していたことを示しているし、それを彼なりに集大成したつもりだったのではないかとも感じるのである。
演奏は熱っぽいものであるけれど、第3楽章がモタモタするのは意図的なようだけれど、ちょっと素朴に過ぎるように思った他はまずまずの出来映えではないかと思う。ただ、私はこれを聞いていた当時小学生だったはすで、このモタモタしたスケルツォを聴いて昔のことをいきなり思い出してしまった。
スピード競争をしているようなスケルツォを散々聞かされているためか、この落ち着いた演奏も良いかなと思ったりもしないでもない…。特にトリオの素朴な味わいと、細かなところまで丁寧に演奏しているあたり、好感を持った。
終楽章もはじめっから興奮したりせず、少しずつもりあげていくもので、刹那的な煽りでウンザリさせられるよりもずっと良い。それでいて、結構大胆なテンポの変化が加えられていて、リンデンバークという人が決して一筋縄ではいかないこともわかる。
ただ、一発だけ入るシンバルがあまりに情けない音でちょっと悲しかった…(笑)。
確かにもって良い演奏はあるけれど、これもそう悪い演奏ではなかった。私の「新世界」入門はこの演奏でやはり良かったのだと、再確認したようなところである。
さて、今日は先日編曲した「キラキラ星」の本番である。教え子の名越君が指揮台に立つということもあるので、出かけなくてはならない。
次の更新はしたがって明日以降となります。

写真はエンゲルベルクの修道院付属教会。
ドヴォルザークの「新世界」を懐かしのリンデンバーク指揮で聞く_c0042908_81226.jpg

by Schweizer_Musik | 2010-10-10 08:01 | CD試聴記
<< 昨日は… モーツァルトの交響曲第39番を... >>