(新)秋の夜長に音楽を聞く -11. プーランクの田園のコンセール
作曲者 : POULENC, Francis 1899-1963 仏
曲名  : クラヴサンと管弦楽のための「田園のコンセール」(1927-28)
演奏者 : アイメー・フゥン・ド・ヴィーレ(cemb), ピエール・デルヴォー指揮 パリ音楽院管弦楽団
CD番号 : EMI/6955842



チェンバロ復興の立役者でもあったランドフスカの委嘱によって書かれた作品で、ファリャの作品に続いて2作目。無論現代チェンバロのための作品で、バロック時代のチェンバロとは全く異なる楽器のための作品である。ギレリスらのようにまれにピアノでの演奏も記録されているし、私がはじめてこの作品を聞いたのもピアノ版だったが、この曲はおはり現代チェンバロで聞くのが一番なのは当然であろう。
1957年の録音で、モノラルであるが、とてもバランスがよく聞きやすい。
この後、プレートルとのステレオ録音もあるので、一般的にはそちらを聞くべきかも知れないが、このデルヴォー盤もモノラルながら、素晴らしい演奏で、若きデルヴォーの才能の輝きを聞くことができる。またパリ音楽院管弦楽団がいかに素晴らしいオーケストラであったかを知るためにも良い一枚だと思う。
廉価なので、一度ご賞味いただければと思った次第。第2楽章のシチリアーノはフォーレとよく似たテーマを選んでいるが、プーランクがやるとなるほどこうなるか…と納得の楽章である。
終楽章はヘンデルの「調子の良い鍛冶屋」のモティーフをサラリと引用して聞かせるあたり、プーランクの機知が楽しい。プレートルとのステレオ録音でもソロを弾いている名手アイメー・フゥン・ド・ヴィーレの演奏もリズムの躍動に満ちた素晴らしいもの。
収穫の秋。これを聞きながらそろそろ出てくる栗でも食べて秋の夜長を過ごしてみては?

写真はシルス・マリアのニーチェ博物館の窓から見た風景。
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by Schweizer_Musik | 2010-10-12 21:34 | 秋の夜長に音楽を聞く
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