ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番をタッキーノとクリュイタンス/BPOの演奏で聞く
作曲者 : BEETHOVEN, Ludwig van 1770-1827 独
曲名  : ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37 (1800-03)
演奏者 : ガブリエル・タッキーノ(pf), アンドレ・クリュイタンス指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
CD番号 : EMI/4 89157 2



ここでのクリュイタンスの指揮するベルリン・フィルの演奏は、絶品と言って良い。タッキーノのピアノも期待以上の出来映えで、この演奏目当てで買って良かったとしみじみ思いながら、病み上がりの身体を休めた一日の終わりに聞いている。
タッキーノはプーランクの協奏作品をジョルジュ・プレートルと録音したものしか知らなかったが、彼がプーランクしか弾いていないはずはなく、こうして聞くとなかなか素晴らしいベートーヴェンを聞かせているのである。
第1楽章から力強いタッチで大変力強い。小賢しい表現、小手先の表現は皆無で、どこをとっても正統な、ゆるぎない演奏だと思う。
あのクリュイタンスが共演の指揮を執っているのだから、彼が当時からいかに高い評価を受けていたか知ることができるが、それはこの演奏によく出ていると思う。
ほぼイン・テンポで悠揚迫らざるというのはこういう演奏を言うのだろう。第2楽章のファンタジックな表現もまた良いものだし、終楽章も速すぎず、ノーブルにまとめていて、悲壮感が逆立っているような演奏とは一線を画している。
こういう演奏は人気が出にくいようだが、本当に心ある人たちにこそ聞いて欲しい逸品だ。クリュイタンスとベルリン・フィルのオーケストラの素晴らしさ! !

写真はウンター・エンガディンののどかな風景。
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by Schweizer_Musik | 2011-01-10 20:23 | CD試聴記
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