ブクステフーデの前奏曲とフーガ ホ短調をメッツラー制作のオルガンを弾くロッグの演奏で聞く
作曲者 : BUXTEHUDE, Dietrich 1637-1707 デンマーク
曲名  : 前奏曲とフーガ ホ短調 BuxWV.142
演奏者 : ライオネル・ロッグ(org/スイス、ラウフェンブルグ、ヨハネ教会、メッツラー・オルガン使用して録音)
CD番号 : EMI/4 56329 2



ブクステフーデのオルガン演奏を聞きに、かの大バッハが熱心に聞き入ったというその音楽を、今日、私たちはこうしてCDで優れた演奏で何度も聞くことができるという幸せを手にしているのである。
リューベックのブクステフーデが演奏していたというその教会には行ったことはないが、その音楽は私にとってバッハと並んでドイツ・バロックの最高峰として存在している。
ブクステフーデの音楽について語るならば「夕べの音楽 "Abendmusik"」について語るべきだろうが、彼の少なからぬオルガン作品も極めて優れたブクステフーデの世界であり、これを昔はクラフトの演奏でよく聞いた
ものてあるが、あれは優れた演奏であるとともにブクステフーデゆかりのオルガンを使っての録音であったが、やはり保存状態が私には今ひとつで、歴史的意義、その計り知れない価値を認めるものの、やはり良い状態のオルガンで聞きたいという思いは強かった。
マリ=クレール・アランの録音は良い演奏だと思うけれど、やや仕上がりが荒っぽいところがあり、勢いはあってもブクステフーデの格調高い世界は今ひとつだった。
その点、数曲ではあったが、ヴァルヒャ晩年のアルプ・シュニットガー・オルガンによる録音は素晴らしいものであった。
そんな中、この演奏に出会ったのだが、この録音の最大の特徴はスイスの名工メッツラー翁の傑作オルガンを使用しての名手ライオネル・ロッグの演奏であるという点である。
このオルガンのエッジのまり具合と音色の美しさ、反応の良さは独特である。Laufenburgはアールガウ州にあるスイス北部の町で、
昨年も通っていながら、とうとう訪れていない。ああもったいないことをしたとまたまた残念に思っている。次に行く時にはぜひ訪れなくては…。

写真はバーゼルからルツェルンへと戻る途中の車窓の風景。この途中で行こうと思えば行けたのに…。
ブクステフーデの前奏曲とフーガ ホ短調をメッツラー制作のオルガンを弾くロッグの演奏で聞く_c0042908_228464.jpg

by Schweizer_Musik | 2011-01-11 22:08 | CD試聴記
<< 小林秀雄氏の「落葉松」を中澤 ... 佐藤 眞氏のカンタータ「土の歌... >>