ドヴォルザークの「新世界」をコリン・デイヴィス指揮RCOで聞く
作曲者 : DVOŘÁK, Antonín 1841-1904 チェコ
曲名  : 交響曲 第9番 ホ短調「新世界より」Op.95 B.178 (1893)
演奏者 : コリン・デイヴィス指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
CD番号 : PHILIPS/438 347-2



懐かしい名盤である。LP三枚組のボックスで持っていたもので、一時はよく聞いたもので、小澤征爾(サンフランシスコ響)やロヴィツキ、スウィトナーの演奏がステレオ盤ではお気に入りだった。モノラルではターリッヒが好きだった。(ちなみに最初に聞いたのは以前にも書いたけれどリンデンバーク指揮のERATO盤)
高校の頃に聞きまくった中の一枚で、コンセルトヘボウ管の素晴らしさに陶酔してしまう。多分この曲のスタンダードな名演として第7、第8番とともに最も安心してお薦めできる演奏ではないだろうか?
オケはこれを聞いてしまうと、他の演奏が雑に聞こえるほどで、最近のロンドン交響楽団との演奏も素晴らしいものだったが、このコンセルトヘボウ管の演奏は、緊張感のあるテンポ設定とスケール豊かに響くオーケストラの魅力にあると思う。第1楽章冒頭の序奏を聞き比べただけでもその違いは明らかで、ライブらしいノイズのある極めて明晰な新録音に対して、アナログ末期のフィリップス録音の素晴らしさは他を寄せ付けない水準にある。
モーツァルトやベルリオーズ、シベリウスなどを得意とするコリン・デイヴィスが、このドヴォルザークもまた得意として複数の録音を残しているのも面白い。
同時期には確かあの「春の祭典」や「ペトルーシュカ」もコンセルトヘボウ管と録音していて、この時期、いかにコリン・デイヴィスが充実していたか、そして、コンセルトヘボウ管がいかに凄いオーケストラであったかがよくわかるものである。
第2楽章の有名な旋律を吹いているのは誰だろう。どこでもやっている超ポピュラーな作品故、逆に食傷気味となっているのは、この楽章と終楽章のせいでもある。
とは言え、聞き始めるとついつい聞いてしまうのである。そしてこのような良い演奏であれば尚更である。
特別の解釈、指揮者の個性などという余計なものはほとんどない。私はこういう演奏こそが好きなのだ。個性的な解釈というより、指揮者の勝手な思いこみと、下手なアゴーギクを個性と勘違いしている人こそ、こうした作品に対する敬意と正しい態度での演奏をまず聞くべきだと思う。
第8番も素晴らしいし、この2枚組にはロンドン交響楽団との交響的変奏曲も入っている。これについてはまた今度…。

写真はバーゼルを流れるライン川。渡し船が小さく写っている。
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by Schweizer_Musik | 2011-02-05 19:43 | CD試聴記
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