バルトークのヴィオラ協奏曲をズーカーマンの演奏で聞く
作曲者 : BARTÓK, Béla 1881-1945 ハンガリー→米
曲名  : ヴィオラ協奏曲 Sz.120 (Op.post.)
演奏者 : ピンカス・ズーカーマン(va), レナード・スラトキン指揮 セントルイス交響楽団
CD番号 : RCA/BVCC-9376



宮崎の音楽祭に、アメリカなどの音楽家たちが放射能の影響を心配してかどうかは知らないけれど、辞退が相次いでいるのだそうだ。全く酷い話で、福島でどんなに放射能が出たとしても、宮崎に流れていくようなことは、地球を一周しない限りほぼないのではないか。私の乏しい知識ではそのように考えるのだけれど…。一周する内に薄まってしまい、よほどのことが無い限り、検出するのは難しいと思うし、それに大気中に出ている放射能がどのくらいなのか…。観測地点によって違いがあるのだろうし、それでどうのというのは、私のような門外漢がああだこうだと想像で書くことは、憶測をまき散らすこととなるので、現在の世情においては、無責任なことは書かない方が良いと思うので、この話はこのくらいにしよう。
しかし、こうした世情の中、ズーカーマンはそのキャンセルした人たちに代わって音楽祭に参加するのだそうだ。なんて良い人なのだろう。私はキャンセルした人たちを非難する者ではないけれど、多分今後、キャンセルしてしまうような人たちの演奏会は行かないだろう。苦しい時に来てくれる人こそ、本当の友人だと思うから、ズーカーマンをとりあげなくてはと思った次第である。
彼は、ガラミアン門下の逸材で、1970年代はヴァイオリニストとしてバールマンなどとともに新しい世代の演奏家として一世を風靡したものである。最近はもっぱら指揮者としてのほうが聞く機会が多くなっているが、ヴィオラもよく演奏し、このバルトークの未完の大作を集中力をもって弾いている。スラトキンの指揮するセントルイス交響楽団の演奏も良いので、お薦めの一枚である。ただ、このCDは今は手に入れるのは難しいようで、取り上げるのはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲などにしようか、ダニエル・バレンボイムと組んだデュオにしようかなどと迷ったのだけれど、classic-Japanに置いてあることが判明したので、とりあげることにした。1990年11月20, 24, 25日の録音。

写真はスイス北部の町、ブルック。
バルトークのヴィオラ協奏曲をズーカーマンの演奏で聞く_c0042908_2053097.jpg

by Schweizer_Musik | 2011-04-24 20:00 | CD試聴記
<< ラフマニノフの交響曲第2番をウ... テレマンの「ガリヴァー組曲」を... >>