レスピーギの「風変わりな店」をドラティの指揮で聞く
作曲者 : RESPIGHI, Ottorino 1879-1936 伊
曲名  : バレエ組曲「風変わりな店」P.120 (1918-19)
演奏者 : アンタル・ドラティ指揮 ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
CD番号 : LONDON/F28L-20344



ディアギレフの率いるバレエ・リュスのための1919年に書かれた作品。ロッシーニの音楽を素材としてレスピーギが再構成したもので、これをさらに推し進めたのがストラヴィンスキーの「プルチネルラ」なのである。
新古典主義の作品と言っても良いかもしれないが、そこはレスピーギ一流のオーケストレーションにより、音楽は見事に生き返り、陽光降り注ぐイタリアの明るい響きで描かれている。
これは組曲版で、全曲版とどう違うのか私は知らないけれど、どうもあまり変わらないのではと思われる。1幕もののバレエで、ロッシーニの「老いの過ち」などからとられた素材は、見事に料理され、これならば料理人ロッシーニもさぞかし満足であったことであろう。
ロッシーニは「ウィリアム・テル」の後、料理人へと転身し、作曲は「趣味」に限定してしまい、こんな魅力的な音楽を時々楽しみながら作っていたのだ。なんて羨ましい人生だろう。
その素材に目をつけたレスピーギの目利きの確かさにも舌を巻く。そして見事に料理(オーケストレーション)されたものを、アンタル・ドラティが見事に演奏している。他にも良い演奏はあるけれど、録音も含めて私は今ではこの演奏を第1に考えている。楽しい楽しい全8曲からなる組曲は、どんな時でも私を癒してくれる。

写真はバーゼルの市役所。
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by schweizer_musik | 2011-05-23 00:55 | CD試聴記
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