シェックの「夏の夜」をバウムガルトナー指揮で聞く
作曲者 : SCHOECK, Othmar 1886-1957 スイス
曲名  : 夏の夜 (田園風間奏曲) Op.58 (1945)
演奏者 : ルドルフ・バウムガルトナー指揮 ルツェルン祝祭弦楽合奏団
CD番号 : EURODISC/BMG/69223-2-RG



ちょっとした秘曲なのである。シェックは20世紀前半に活躍したスイスの作曲家。最後のリート作家と呼ばれることもあるが、それは彼がたくさんのドイツ語による歌曲を残したことによる。
フィッシャー=ディースカウやエルンスト・ヘフリガーが彼の音楽の普及に尽力したことは知られているが、彼の歌曲は素晴らしく美しいものも多く、私はJecklinレーベルのシェックの全集など一生懸命集めたものである。
フィッシャー=ディースカウの録音もたくさんではないにてもかなりの数がスイスのクラヴェース・レーベルに残されている。
そんなシェックの器楽曲はあまり多くないが、傑作がいくつか残されている。歌劇などの大作をのぞくと、シェックの音楽は慎ましやかな合奏の作品が多く、ドイツ語圏では珍しく弦楽合奏の作品を多く残した。
この曲もそうした作品の1つで、涼しげな風が吹き渡る夏の夜の幻想的な雰囲気を表している。ケラーの詩にインスピレーションを得て書かれたというが、そのケラーの詩を私は読んでいないので、どういうものかはよく知らない。
しかし、うだるような熱帯夜の音楽ではなさそうで…(笑)、ちょっと涼しくなってきた今時がピッタリではないかなと思う。
スイスではもう秋が近づいていることだろう。昨年滞在した時は、八月の終わりに秋になった。ヨーロッパの季節の移ろいは、極めてはっきりしていて、緩やかに四季が変化していく我が国のような季候の移り変わりとちょっと違うようで面白い。

写真は女王陛下の007で有名なシルトホルンへと登るロープウェイの中間駅ビルクから見たラウターブルンネンの谷とベルナー・オーバーラント三山(アイガー、メンヒ、ユングフラウ)の名峰を撮った一枚。
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by Schweizer_Musik | 2011-09-03 23:41 | CD試聴記
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