ブラームスのピアノ協奏曲第2番をバレンボイム/チェリビダッケの演奏で見る
ブラームスのピアノ協奏曲第2番をバレンボイム/チェリビダッケの演奏で見る_c0042908_315546.jpgタイトル(or 曲名) : ブラームス/ピアノ協奏曲 第1番 / 第2番
出演者 : ダニエル・バレンボイム(pf), セルジュ・チェリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
DVD番号他 : EUROARTS/2066688



DVDではなく、以前にスカパーでこれを見たかすかな記憶がある。但し、仕事をしながら見たので、全く記憶がない。
それで、DVDが出ていたので購入したのだけれど、第1番は最初少し遅いし、オケもそのテンポに乗れなく苦労しているようで、今ひとつ居心地の悪い出だしだったけれど、いつの間にか演奏に引き込まれていて、最後はもの凄く満足して見終えた。
ミュンヘン・フィルを自在に操りというのではなく、オケが必死で食らいついていくというタイプの演奏だが、これがはまるととてつもなく凄いこととなる。
バレンボイムのピアノも、大体はつまらないものが多いのだけれど、これはちょっと感動的な演奏で、昔、クレンペラーとやった一連の協奏曲録音を彷彿とするところがある。
ブレスが深く、大きくフレーズをとって演奏しているので、やたらとスケールの大きな演奏となっている。第2番の方はそれほど遅いと感じなかった。ここまで来るとスムーズにこのテンポについていけるし、自分もはまっていけるので、とても気持ちが良い。
最初感じていた違和感は、完全に霧散し、ブラームスの音楽だけが雄弁に語りはじめているのである。
これは、ちょっと違和感を感じても、しばらくついて行くことをお薦めしたい。第2番などは大変な名演で、チェリビダッケ・ファンでなくとも素晴らしいと思っていただけるに違いない。またバレンボイムが良いピアノを聞かせているのにも驚く。
なんだ、彼もやる気になればできるじゃないか、なんて思ったりもした。天才肌で、あれほどのスケジュールでよくこんな大曲をレパートリーとして維持しているものだと、ただただ呆れるほどの才能と、おそらくは人知れず行っているに違いない不断の努力に敬意を捧げたい。

これはDVDになったブラームスのピアノ協奏曲の映像の中でも白眉だと思う。まだ手に入るようなので、ブラームス・ファンの方にお薦め!!

写真はブラームスが滞在し、交響曲1番を作曲したというチューリッヒ湖畔のリュシリコンの波止場。冬はチューリッヒ湖の航路は運休するので、この風景の中に船がやってくることはないけれど、夏は大勢の人が繰り出して、湖水浴などで賑わう。
ブラームスのピアノ協奏曲第2番をバレンボイム/チェリビダッケの演奏で見る_c0042908_3212829.jpg

by Schweizer_Musik | 2012-01-24 03:21 | DVD/スカパー!視聴記
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