ヴァイスのリュート・ソナタ 第34番 ニ短調を中川祥治氏の演奏で聞く
ヴァイスのリュート・ソナタ 第34番 ニ短調を中川祥治氏の演奏で聞く_c0042908_2039581.jpg作曲者 : WEISS, Silvius Leopold 1686-1750 独
曲名  : リュート・ソナタ 第34番 ニ短調
演奏者 : 中川祥治(lute)
CD番号 : ACUSTICA-RECORDS (ご入り用の際はこちらからどうぞ!)



スイスのバーゼルに留学されていたリュート奏者の中川祥治さんのCDが出来て、送られて来た。
ちょっと前に送られてきたのだが、色々あって落ち着いて聞けたのは今日がはじめてだったので、レポートが遅れてしまった。

バッハの無伴奏チェロ組曲の第1番と第4番をリュート用に編曲したものと、ヴァイスのリュート・ソナタというCDで、バッハのものもとても美しい演奏で心奪われたが、ヴァイスのリュート・ソナタはとても気に入って、今日の午後はこればかり聞いて過ごしてしまった。
ヴァイスはバッハと同年代のドイツ・バロックのリュート奏者であり作曲家であった。バッハもそうだが、ヴァイスも大変勤勉な作曲家であったらしく、たくさんの作品を残している。
私はそうたくさんヴァイスの作品を聞いているわけではないので、この作品について語る資格など全くないが、この音楽の美しさ、そして演奏している中川さんのセンス満点の演奏に、すっかり心奪われてしまった次第なのである。
ヴァイスのソナタは、ナクソスがロバート・バートの演奏で10枚ほどリリースしていて、それも美しいものだったので、いつかここで書こうかと思っていたのだけれど、この中川さんのCDを聞いて、まずはこちらから紹介することとした。
まだまだ寒い日が続くが、あたたかい部屋でこんな静かで心休まる音楽を聞いて日がな一日過ごすのは、贅沢の極みと言って良いだろう。お薦め!!

写真は早朝のバーゼル駅前。ここで中川さんとはじめて会ったのだけれど、それはもう7年も前の話。彼は英語の先生をしながらリュートを勉強してきて、50才を前に退職、リュート1本でやるためにバーゼルに留学し、以来演奏家として各地で活躍している音楽家である。
私も42才でヤマハを退職し、作曲家として始動したわけで、遅れてきた新人である。この前に書いたマッギーニに興味をおぼえるのも、その経歴がちょっとだけ似ているからでもある。
思い出したのだが、昔、大学で勉強していた時、1年下にすでにピアニストとして活躍していた方(奇しくも同じ中川という性)で、50才を越えた方がいた。
ピアニストで充分やっていけるのにと思ったけれど、彼は「五十の手習い」と言って笑いながら、私たち若造と一緒に和声の授業などを受けておられた。
事をはじめるのに、年齢は関係ないと思いつつも、音楽だけは別と言われるところはあるものの、作曲は遅くても大丈夫!なようだ。
まっ、中川さんは、学校の先生をしながらもリュート奏者として活躍されていたというから、やはり演奏はそうはいかないものなのだろう。でも、プロとしてやり始める時期はいつでも良いのだと私は思う。
そんなことはともかく、リュート奏者中川祥治さんのことを、もっと知ってほしいと思い、一言二言、付け加えさせていただいた。ホプキンソン・スミス、アントニー・ルーリーなどに師事した彼の素晴らしい演奏をお聞きあれ!
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by Schweizer_Musik | 2012-02-12 20:39 | CD試聴記
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