ブルックナーの交響曲第7番考察 -04-
この楽章は、この曲の中で第2楽章につづけて最後に完成した楽章である。第2楽章の作曲中に尊敬するワーグナーの死を聞いた彼が、その追悼を音楽で行ったと考えても、そう大きく外れてはいないと思われる。なぜなら、ワーグナーの病はこの曲の作曲に取りかかった頃から、もう長くは持たないことをブルックナー自身が知っており、そうした荘重な気分の中でこの作品に取りかかったことは間違いないからだ。
第1楽章、そしてスケルツォ楽章が完成して、身内でピアノ二台による初演が行われたことは知られている。そしてその一年後に全曲が完成する。
終楽章が、ワーグナーの死を知った後、完成した第2楽章に続けて書かれたという点は注目に値する。なぜなら、この楽章はリズミックな第1テーマと荘重な第2テーマを持つソナタ形式によっているのだが、第2楽章の裏返しのような側面があるからだ。
第2楽章では荘重な第1主題に、明るくリズミックな第2主題。そして終楽章では明るくリズミックな第1主題に荘重な第2主題。両方とも第一主題は確保されず、その展開、発展によって第2主題に推移するところも共通している上、第2主題が十分に確保される点も同じだ。
音列に直してみると更に共通点が際だって来るが、第1主題が遠く第1楽章の第1主題を元にしていること、そして第2主題が遠く第1楽章の第2主題を元としている点も、共通している。
したがって循環主題的、フランクの交響曲のような緊密な形式感がこの曲を支配していると言ってもよいのである。
第1主題を次にあげておく。
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第1主題の前半はホ長調の和音がほとんど動かない。この中で、動機がゼクエンツしていくが、続く後半では半音階的な転調が次々とあらわれ、どこへいくのかと思わせられる。こうした大胆な転調を主題の中に含む点で第1楽章の主題が更に発展していることが判る。
第1主題は変イ長調の主和音に終止するが、これは異名同音で主調の長三度上の調性に転調したことになる。
この転調の後、本来ならば主題の確保に入るのだが、この楽章では属調に転調して主題が繰り返される。そして動機のいくつかを繰り返して、第2主題に移る。

第2主題は、第1主題と大きな対照を描いていて、リズミックな第1主題に対して、ゆったりとしたコラール風のテーマとなっているが、バスの動きが五度を中心としていて、第1楽章の音列と関連づけている。あるいは第1楽章の第2主題との関連も考えてよいかもしれない。
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このテーマが弦によって続けられ、木管による印象的なフレーズが挿入される
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第4ホルンのオルガンブンクトの上にホルン三本による分厚いハーモニーがつき、オーボエとクラリネットというリード楽器の柔らかなメロディーが、天から降ってくるように響く。
ブルックナーがオルガン奏者であったことを思い浮かべるところである。
この後第二主題が回帰し、確保される。
この項目、執筆途中。
by Schweizer_Musik | 2005-07-19 07:51 | 授業のための覚え書き
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