今日の授業の記録・・・
今日は、弦楽器の説明を行った。本科でヴァイオリンを専攻している学生に来てもらい、楽器の構造から奏法などについて説明を行う。
それぞれの弦の特徴について。G線が太い音を持つこと、D線、A線の特徴からE線の高音の特徴。そしてポジション。それぞれの弦で音階を弾いてもらい、その弦を選ぶことの意味について説明。
むかしのクライスラーなどの演奏では、フレーズの途中で弦を変えないのが基本であること。それは弦を変えて音色がフレーズの途中で変わらないようにするためであったこと。ただ今日ではそんな面倒なことをしない奏者が多いことなどを説明。
またスル・タスト、ポンティチェロなどを説明。二十世紀の管弦楽法で特に使用頻度が高いものであることなど。
調弦についても説明しながら、スコルダトゥーラなどの調弦を敢えて変えてヴァイオリンを移調楽器にして演奏することの意味などに触れて、バロック時代にはこれが一般的な技法であったこと、そして意外とよくやられること。例えばマーラーの第4番の交響曲などの有名な例の他、ビーバーの「ロザリオのソナタ」のスコルダトゥーラの嵐、ハイドンの交響曲での使用なども紹介する。
ボウイングについての説明。特にダウンビートとアップビートについて説明。意外とこんな事を知らないのが学生である。弓を上げ下げするのは何故ということから、同じメロディーでボウイングを変えて弾いてもらいその違いを説明していると、結構興味をもってもらえたようだ。
またダウンだけで四分音符を弾いてもらったりして、特徴を理解してもらえたのではないだろうか。
コル・レーニョ(弓の反対側=木の方で弦を擦る特殊奏法)は「話だけ」。音を出してもらうのはちょっと弓がかわいそうなので止めた。ホルストの「惑星」の「火星」の冒頭で使われているのが有名だが、ギドン・クレメルが弾いたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第五番「トルコ風」の終楽章でちょこっとやっていることなどを紹介。決して新しい特殊奏法でなく、古くからやっていることなのだ。
ただ、某オケでこの奏法を使った新作をやってもらうこととなった新進作曲家がそのオケのコンサート・マスターから「にいちゃん、弓でなくて鉛筆でいいか?」と言われた話などをして、演奏家から嫌われる奏法であること。そしてその理由も紹介しておいた。
あと、ピツィカートについて、チャイコフスキーの交響曲第4番やブリテンのシンプル・シンフォニー、シュトラウス兄弟のピツィカート・ポルカなどの例をあげてアンサンブルでの難しさを話す。
オーケストラの曲では、例えば、フランクの交響曲の第2楽章でのゆったりとしたテンポでの合わせの難しさを紹介しておいた。アルコ(弓で弾くこと)なら、少々のズレが気にならないのだが、ピツィカートは小さなズレが命取りとなるのでストレスは大変なものだからだ。
もちろん、お約束のバルトーク・ピツィカートについても紹介。昔、これをピアニッシモでやれと言って、オケのみんなから笑われた若い作曲家の話をする。(私じゃありませんよ!!)ピアニッシモでバルトーク・ピツィカート、そう、一度やってみせて。
こんな話は毎年やっていることなのだが・・・。短い時間で説明するのは骨が折れる。

現代音楽についての授業では、今日は別に現代音楽では決してないが、ストラヴィンスキーの「火の鳥」から「カッチェイの踊り」をとりあげた。これはこれで一生懸命。ああ、やっと一日が終わった。
帰りに駅で2年前に卒業していったO君にばったり出会う。彼は今からバンドの練習に行くのだそうだ。作曲専攻には惜しいほど上手いギター奏者だった。彼はまだ夢を追いかけているのだ。さわやかだった。
明日は、自分の曲のリハーサルに出かける。まぁ、こうしたことは久しぶりなので、なんだか嬉しいような・・・。

岳父が白内障の手術を受けたため、女房が付き添いのために郷里に帰っているため、毎日の食事は娘たちが作ってくれているが、娘もそういうことができる年になったのかと、ちょっと嬉しく思ったりしている。
それにしても疲れた。今日はこれでおしまい。ではまた明日。
「トリビアの泉」を見ながら・・・。
by Schweizer_Musik | 2005-07-20 22:21 | 授業のための覚え書き
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