かなり旧聞に属するが、10月23日付の神戸新聞の社説で、大分前から計画されていた兵庫県立芸術文化センターが開館したことについて書かれていた。
構想から十数年。この間には、箱物行政が地方に立派であっても滅多に借りる人もいない、ただの赤字垂れ流しのホールをたくさん造ったことで、世論の批判にさらされた。県立芸術文化センターの新しいホールも、オーケストラやオペラにも対応した二千席の大ホール、演劇主体の中ホール、自然光を採り入れた小ホールという3つの立派なホールがあると言う。ただ、ホールを作っただけでなく、ここのユニーク(東京ではそうした例はいくつかあるが)ホール専属のオーケストラが同時に設立された点である。 オーディションによって半分が外国人という兵庫芸術文化センター管弦楽団が設立され、ここをホームグランドとして活動をはじめるのだそうだ。このため、佐渡裕氏を芸術監督に、演劇では芸術顧問に劇作家の山崎正和氏を迎えたという。 昔、大阪センチュリーが出来たとき、大阪フィルなどから優秀な団員の引き抜きがあったとかなかったとか、随分話題になったものだ。それがどうとか言う気はないが、今回は外国人が多いということで、周辺のオーケストラとの摩擦は比較的少なかったことだろう。オーケストラ設立で一流の奏者を確保することは、まず第1に行わなくてはならない仕事だと思う。とは言え、そういう奏者はすでにどこかのオーケストラの在籍していて、フリーの人があふれているわけではない。フリーでソリストとしてやっている人が、そのままオーケストラに向いているわけではないし、コンマスとなると更に難しい。 コンマスは朝枝信彦氏、四方恭子氏、豊嶋泰嗣氏が就任している。凄いメンバーだ。ソリストとしても活躍している彼らがコンマスということは、このちょっと堅苦しい名前を持つオーケストラがいかに本気で設立されたかわかる。団員は35才以下の若手で最長三年間という在籍で世界の一流を目指すなどとHPに書かれてあるが、それはどうかと思う。教育的な目的と一流オケというのは両方得られれば素晴らしいことだが、大変難しいことだと思うからだ。 しかし、私はこのオーケストラに大いに期待したいと思う。先日佐渡裕の指揮する第九で門出をしたそうで、その演奏をおさめたDVDも発売されるそうだ。ちょっと聞いてみたいとも思う。 オーケストラやホール事業をどう軌道にのせていくか、佐渡裕をはじめとする方々の手腕に期待したいと思う。佐渡裕氏は、故郷に錦を飾ったことにもなり、きっと張り切っておられるのではないだろうか。関西ではセンチュリー・オーケストラ以来の新しいオケである。関西は文化後進国みたいに言われてどうも悔しい思いをすることが多く、多少こうしたことで溜飲を下げたいところはある。(関西出身なので・・・)ただ、オーケストラ活動で黒字を出すことは至難の業であることも事実である。だから、運営にあたる兵庫県も、すぐさま成果を期待したりせず、長い目で育てていってほしいと思う。文化とは十年、二十年、更に百年単位で育つものなのだ。神戸フィルなどあるとは言え、新しいオーケストラが西宮の町に誕生したことを心から喜びたい。 ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
TB有難うございました。 河合隼雄文化庁長官の提唱された「関西元気文化圏」に関する事業だけでなく、関西での文化活動が全国へ波及してほしいです。 地元ではありませんが、関西生まれ、関西在住の身としては 兵庫県立芸術文化センター管弦楽団(PAC)の誕生は、嬉しい事です。 来年4月から始まる、PACの定演にも時間が許す限り、行きたいと思っています。 正直、関西の人はある意味羨ましく思うのは、日本で初めてコンサート専用ホールを造ったこと、大阪フィルで朝比奈さんを大切にして、あそこまでのカリスマとして育ててしまったこと。そして後任に、当時名前の挙がっていた外山さんや若杉さんではなく大植さんを据えたこと。気骨ある財界のバックアップと心意気を感じます。そして、今度の佐渡さんの話。首都圏のようにタケノコのように次々出てくるオケが皆同じような水準でドングリの背比べをしているのと違い、かける物にはお金をかけて、それを大事にする「始末」の良さというか、洗練のようなものも感じます。私が神奈川フィルを応援するのもそういうことで、私たちが大事にしなければオケはなくなってしまうし、その個性は、楽団と同時に私たちが作って行くものだと思い、いろいろ批判のある常任指揮者の現田さん、でも大事にしたい。「文化とは十年、二十年、更に百年単位で育つものなのだ」というところは、同じ思いですので心強いです。でも横浜は関西のように気っ風の良さはないですね。都市の規模は大阪市よりも神戸市よりも西宮よりも横浜市の方が大きいのに。関西よりも恵まれた環境にいながら、一点一点の充実は羨ましく思います。 yurikamomeさん、こんにちは! 東京と大阪は文化的にあまりに違います。どちらが良いとかいう問題ではないとも思います。オケのメンバーのモラルなどで言えば、かつてはさすがに田舎者の集団と揶揄されても仕方なかった状況がありました。今も、少しはそうした習慣が残っていて、私の友人などは眉をしかめています。 東京は入れ替わりが激しいので、モラルもスタンダードなものがちゃんと定着していると思います。色々と良い面、悪い面があって一つ一つが育ち、良い方向に向かえばと思います。 この頃はつい出不精になり(太っているからではありません)コンサートにも出かけることが少なくなってしまいました。いけませんね。神奈川フィルも地元だし、たまには行こうかなと思います。文化を育てるのは良い聴衆なのですから。 つとさん、わざわざのお越し、ありがとうございました。私は今は鎌倉に住んでおりますが、心は関西のままです。ですから、関西の音楽界については常に関心を持っていますが、どうしても地方的な印象でしか伝わってこないのが残念でした。 阪神淡路大震災の後の復興も印象づけるこうした明るい話題につい反応してしまうのもそのせいでしょう。 私も、一度聞いてみたいと思っています。最初はお披露目ということで、随分力を入れた演奏会だったようですね。CDですか、DVDも楽しみにしています。 Schweizerさんこんにちは。
私のブログへのトラックバック有難うございます。 音楽音痴の私ですが、”兵庫芸術文化センター”の設立は嬉しいことです。 地震の後、西宮北口の様変わりはめざましいものがあります。 山側の開発はほぼ終わり、次は海側を次々に。 ”芸文”がその一歩です。 私の周りの友達は、素晴らしいホールで好きな音楽が楽しめると 興奮気味です。 気楽な”ワンコイン コンサート”もあり、少しは音楽の世界に 触れようかと、楽しみにしています。
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