伊福部昭のリトミカ・オスティナータ考 -02. 全体の構成
この作品の構成について。
20分程度の単一楽章の作品であるが、当然ながらいくつかの部分に分けることができる。
第1部は八分音符を中心とした速いテンポでリズムのエネルギーを凝縮していくように作られている。執拗に繰り返されるテーマを次のあげておこう。
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四度の跳躍と二度を組み合わせた主題は、こうした音楽では定番の手法となっているが、そのルーツがここにある。BもしくはHの音がこの最初の部分のメロディーに無いのがわかるだろうか?旋法は七音で出来ているのだが、こうして六音で書かれるとより民族的な要素を強調することとなる。
和音もまた四度を重ねたものを多用する。そのことにより、響きに普通の調性を離れたエキゾチシズムを加えることができるのだ。

第2部は四分音符を中心としたAdagioで、緩徐楽章の役割を持っていると考えても良いだろう。その第2主題を次にあげておく。
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このメロディーは序奏のホルンのソロを変化させたものだということはすぐにわかるだろう。また第1主題の中に含まれていた音程的要素を発展させて出来ている。
これの基本となるリズムの単位を四分音符として、前の部分との大きな対比をつけているところに、伊福部昭の知的な構成への冴えがうかがえると共に、西洋的論理でこの作品が構成されていることがわかるだろう。
このメロディーが繰り返された後、弦によってより明確ではっきりとしたメロディーが出て来る。これが次の部分の主題に発展していく。
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次は展開部となる第3部に突入します。
by Schweizer_Musik | 2006-04-09 01:47 | 授業のための覚え書き
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