モードによる作曲法について(3)
旋法が、エキゾチシズムをうまく表現してくれる素材であることを述べてきたが、一方でスペースものなどから、ジャズ風のものまで旋法で作られているということを今回は紹介したい。
次の音楽はホルストの組曲「惑星」の中の「ジュピター」の冒頭のメロディーである。(ホルンが4本のように書いてあるが、ミスです。6本使われています!!)
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これはG音を主音とするミクソリディアで作られているものだが、三拍子の次のメロディーも同じモードで作られている。
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念のためにミクソリディアのスケールを次にあげておく。
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ところで、続いて出てくるのが最近某日本人歌手が歌った部分。ここはヘキサトニック(6音音階)で出来ていて、民謡風に作られている。
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ここの6音音階は4番目の音を省いた長音階で、次のようなものである。
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ヘキサトニックと言えば、「惑星」の中の次のメロディーもヘキサトニックのような作りで出来ているが、これは偶然と考えた方がよさそうだ。
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しかし、この部分の美しさ(いわゆるメジャー・セブンの連続なのだが)はポピュラー音楽でも戦後、さんざん使われたもので、ホルストの音楽の影響は結構大きいことがわかる。
しかし、この「惑星」はミクソリディアが大変たくさん使われていて、「マーキュリー」の中間で出てくる印象的な副次主題もまた、典型的なミクソリディアで出来ている。
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ハープの伴奏からそれと判断できるのだが、最初はホルンのバスがないので、ちょっとドリアかと思わせて繰り返しでホルンのバスを付け加え、ミクソリディアとしている。他にもこの作品の中には色々と語るべき手法があるのだが、ここではこのくらいにしておこう。
by Schweizer_Musik | 2006-05-30 08:05 | 授業のための覚え書き
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