モードによる作曲法について(4) - オネゲルの「夏の牧歌」
二十世紀に書かれた最も美しい音楽の一つ、オネゲルの「夏の牧歌」を分析する。スイスのベルナー・オーバーラント地方の美しい村ヴェンゲンで書かれたこの作品は、オネゲルの初期を代表する作品の一つである。
この曲は三部形式で出来ている。最初の部分のテーマをあげておこう。
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ホルンで演奏される美しいメロディーはミクソリディアである。ホルストのミクソリディアとなんと違うことだろう。オネゲルの才能はこの美しい響きをミクソリディアの中に聞いていたのだ。
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ミクソリディアで書かれた4小節のフレーズをゼクエンツして出来たこのメロディーは続く部分でオーボエが下降するフレーズで受け、それにフルートとクラリネットが絡む。弦のさざめく響きが夏の木陰で頬をなでるそよ風のようでもあるし、フルートやクラリネットの合いの手は羽ばたくヒバリの羽音だろうか?
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このあと、3小節の間奏を挟んで弦にこのメロディーが移る。が、伴奏部はそのまま。実にこの曲の最初の部分の伴奏ははじめからずっと同じ和音を鳴らしているのだ。
ただ後半の下降するメロディーが三度あげられているのは留意すべきだ。
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よく見れば、これはB音を主音とするヘキサトニック(6音音階)とも解釈できる。ここがとても美しく、印象に残るのはそのせいだろう。
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続いて推移部を10小節挟んで、変ロ長調による中間部に移るが、それはこの稿の目的からはずれるので、この曲についてはこのくらいにしておこう。
by Schweizer_Musik | 2006-06-01 17:08 | 授業のための覚え書き
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