モードによる作曲法について (中級編) -2
様々な旋法を合成し、それを展開させることで、多くの音階、組織が得られることがわかったところで、その和声はどうなっているのだろう。また実際の作曲はどうなっているのだろうか?
ファリャの有名な「火祭りの踊り」の冒頭のオーボエによるテーマは、8音スパニッシュの第1旋法に近い音階で作られている。
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同じような例はラヴェルのツィガーヌにも聞かれるが、ジプシー風の音階としては比較的ポピュラーなものらしい。
バルトークの「ルーマニア民俗舞曲」は何度もとりあげているので、おなじみになってしまったかも知れないが、第3曲 足踏み踊り Le batteur de grainは次のような印象的なメロディーで出来ている。
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これはH音を主音とするハンガリア短の第1旋法である。
また続く第4曲 ブチュムの踊り(ホーンパイプ踊り)Danse de Bucsumiでは、ルーマニアの民族的な音階であろうか、次のような音階で出来ている。
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メロディーもあげておく。
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こうした新たな音階に基づいて作曲されるということは、19世紀には考えられないことであった。また、こうした音階の多くは民族的な音楽と結びついて発展していくこととなったことも、特徴的であった。
これは、伊福部昭やその弟子芥川也寸志などによって我が国に移植されることとなる。
伊福部昭の多くの作品はこうした旋法を基礎として作られているし、芥川也寸志の初期の作品もそうであった。
それらについてはまた別の機会に述べることとしよう。
この項、まだまだ続く。
by Schweizer_Musik | 2006-07-07 18:57 | 授業のための覚え書き
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