バルトークの中心軸システムについて
昨日は久しぶりの水曜日…。大変でした。
c0042908_748222.jpgともかくも、バルトークの中心軸システムについて、二台のピアノと打楽器のためのソナタを用いて説明したが、これがなかなかの難関であった。
私自身、この方法を用いたことがないので、結局他人事のように説明してしまいがちになるのを、何とか持ちこたえるのが大変だった。メロディーの作りと和音の考え方に集中して説明したので、まだ構成原理については話してはいない。構成原理については来週やる予定だが、基本的にはレンドヴァイの「バルトークの作曲技法」の本に沿って説明しているので、私としてはそれほど大変ではないが、自分の言葉として説明するのはやはり難しい。
簡単に復習を…。
中心軸システムとは?図に示すように時計と同じ12に区切った円を描き、それに転調システムと同じ音名を入れていく。このCに対してFis、Aに対してEsという2つの軸を一次軸、二次軸と呼び、この対極にある2つの音を近親関係にあると考えるのが中心軸システムである。C音を中心とするC-A-Fis-Esをトニカ軸と呼ぶことにしよう。
ではG音を中心とするG-E-Cis-Bをドミナント軸、さらにF音を中心とするF-D-H-Asをサブドミナント軸と呼ぶことにすると、12音全てが軸の上に完成する。
これを、和音で考えてみよう。
Cのコード(ドミソ)はCmとほとんど同じ音で出来ている。これを同一の和音として考えることにする。また平行関係にあるAmのコードもCのコードと同じと見なすことが可能である。
とすれば、これを押し広げて、Cmの平行関係にあるEbは同じと考えれば、Amの同主調関係にあるAのコードも同じと見なすことでができる。
ここまでくれば、中心軸システムの和声の考え方まであと一歩である。
Ebは同主調でEbmがあり、その平行関係にあるGbも同じと考えれば、Aのコードの平行関係にあるF#mも同じ、そしてF#mとGbは異名同音でCに対する対極点にあり、中心軸システムのトニカの一次軸の関係にあることが判明するのだ。

それを次の譜例に示しておく。
c0042908_75097.jpg


この考え方でメロディーが作られ、和音が作られているのだ。二台のピアノと打楽器のためのソナタはこれらが最もわかりやすい形で出来ているので、分析するにはうってつけである。
冒頭の序奏部分をあげておく。
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Fisではじまる第1ピアノに対して、第2ピアノがカノンで入るところがCではじまることで、中心軸のFisとCの対極点が示されるのだ。
レンドヴァイの本によれば、第2楽章の冒頭にもこの構造の典型があるのだが、それは紹介だけにとどめておこう。
来週はフィボナッチの数列から黄金分割について、弦・チェレの第1楽章のフーガを用いて説明する予定。あれほど数学・算数が嫌いだったのに・・・(別に好きになったわけではないが…)
by Schweizer_Musik | 2006-08-31 07:50 | 授業のための覚え書き
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