昨日は水曜日
弦楽四重奏の説明で、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第3番と第4番、それにドビュッシーをとりあげた。第4番では開放弦とのダブル・ストップで、主音を保続して、ちょっとバグパイプ風の響きを作り出していることを説明。第3番の第1楽章で単純なフレーズをポリフォニックに展開していく手法について、そしてドビュッシーでは、スコアを二段譜に直させて、スコアを精密に読む習慣の大切さをテーマの再現におけるアレンジの違いを分析する中で教える。
スコアを提示して、音楽を聞かせると、学生はわかった気になって聞いているが、実はほとんど楽譜を追いかけただけで終わっていて、スコアを精密に読んで、何が起こっているかを理解しないままに終わる。この精密に読む習慣が、作曲を学ぶ上でどれだけ大切なことか、今日は色々やったが、これが一番だった。

さて現代音楽の授業では、バルトークの弦・チェレの分析にはいる。レンドヴァイの本に習って、フィボナッチの数列については「アレグロ・バルバロ」を例にあげて説明。「へぇ〜」という反応だった…。心許ないところではあったが、思い切って黄金分割について…。
フィボナッチの数列とは、1-2-3-5-8-13-21-34-55-89…と続く数列のことで、1と2を足して3になり、3と5を足して8、5と8を足して13というように前の数との和が次の数字となっていく数列のことである。
この数列の3-5-8あたりを徹底的に使いまくったのが「アレグロ・バルバロ」で、この不規則な奇数の和音連打がこの曲の特徴となっているのだ。
で、この3対5から55対89など連続する数字を抜き出してみると、数字が大きくなればなるほど、2つの数字の比率は黄金分割の比率に限りなく近づいていくことに気づくこととなる。
ちなみに黄金分割とは、1:x=x:yとなる比率のことで、大体は0.618…対0.382…という比率となる分割方法である。
これをバルトークは自作品でよく使っているのだ。前に説明した二台のピアノと打楽器のためのソナタもこの黄金分割を使いまくって出来ている。そしてこの弦・チェレもまたそうなのだ。
中心軸システムの時計をA音から左回りに回る主唱と、E音から右回りに回る応唱が、対極点のEsで頂点に達し、それが小節数で56小節目というわけで、全体が88小節あり、残りが32小節。従って88:56=56:32ということになるのだが、この数式で、大体0.611…対0:388…=0.6363636364対0.3636363636となり大体黄金分割の数字に近い値がそれぞれに得られこととなる。
但し、これについては間宮芳生氏の指摘のとおり、変拍子の音楽を拍数ではなく、小節数でとらえているわけで、多少誤差が生じることとなるのではないかという意見は全く当を得ていると私には思えるが、これ以上踏み込んでこの話題を論じると、私の生半可な知識では太刀打ちできないので、この辺りで説明を終えた。
by Schweizer_Musik | 2006-09-07 08:18 | 授業のための覚え書き
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