オネゲルの「ダビデ王」考 -01-
オネゲルの「ダビデ王」はいくつかの版が作られているが、ともかくもオネゲルの出世作であり、代表作の一つでもある。
旧約聖書を題材としたこの作品は、キリスト教徒、あるいはユダヤ教徒にとっては親しい話であるため、色々な芸術作品の主題となっているが、音楽ではやはりオネゲルのこの作品でもって代表的な作例とすべきであろう。
オネゲルはこの作品で、親友であったダリユス・ミヨーが取り組んでいた多調性を使ってみたり、2度構成の和音や4度構成の和音の多用など、当時の最先端の技法を駆使して書いている。したがって、ストラヴィンスキーの「春の祭典」などとともに、作曲家ならば絶対勉強しておかなくてはならない作品の一つだと私は考えているのだが、どうもこの曲に真剣に取り組んでいる音楽家は日本にはいないようなので、その一端を紹介してみようと思う。
私も、ブログでこの曲の全容を語り尽くすことなど思いも及ばない。それほどこの作品は奥が深い。

イントロダクションからそうした曲の特徴は極めて明解に示されている。
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低音での二度は強い打撃音としてある。そしてその上にティンパニの4度が重なり、このパーカッシブな伴奏にのってエキゾチシズムあふれるテーマがオーボエによって奏でられる。
このテーマは2つの調性を持つ。
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主音を異にする2つのヘキサトニック(6音音階)から成り立つメロディーであることがわかる。
これにフルートの次のメロディーが合いの手を入れる。
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主音をどれにするかはともかく、ペンタトニック(五音音階)で出来ていることがわかる。
続いてホルンとトランペット、続いてトロンボーンによる力強いシンコペーションは4度構成のハーモニーで書かれていて、その音階は次のようなものである。
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この間のバスは短二度の打撃と、続くDとAの5度のコンバスによるトレモロである点も留意すべきであろう。
この稿、続く。
by Schweizer_Musik | 2006-10-02 23:42 | 授業のための覚え書き
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