オネゲルの「ダビデ王」考 -02-
羊飼いダビデの頌歌「主は私の羊飼い」Cantique du berger David
ここでは極めて平易なメロディーをコントラルトが歌い、それに対して半音階と二度構成音によるオブリガートが縁取っている。
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ヴァイオリン(初版ではフルート二本で幻想的な響きをもたらしていた!)の高音でのオブリガートが二度でほぼ出来ている。この二度のぶつかりが微妙な感情の綾を表していて、初版を演奏しているデュトワ盤ではボーイ・ソプラノが歌う(第2版ではコントラルト)のだが、それほどに平易でのどかな民謡のようなメロディーである。八小節はヘキサトニックで出来ている。続く後楽節では全音階となるのだが、第七音が半音下げられているところが少しだけミクソリディア的である。
これに対して、クラリネットの二分音符のオブリガートは全音階的であるだけで、他は半音階を多用し、どことなく不安定な印象を与え、大変ユニークだ。

第3曲「詩篇」がバロック調の低音と合唱(それも斉唱)だけで出来ている(冒頭のオーボエの音階に由来するスケールがトランペットにあるが)。
よく聞くと、バッハなどのバロックの音の組み合わせとは全く違うのに、違和感の全くない自信に満ちた響きが作り出せているのは凄いことだ。ファンファーレ(コルボ盤では省略されている)と勝利の歌(なかなか面白いのだが)は省略して、次は第5曲「行進」に移る。
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バスはヘ短調、トランペットはホ長調、そしてホルンはニ短調で書かれ、トロンボーンは嬰ヘ長調で出来ている。トランペットは4度でハーモナイズされていて、極めて象徴的である。
多調性に4度構成の和音を配置しているのだ。
更にこの稿続く。
by Schweizer_Musik | 2006-10-03 22:54 | 授業のための覚え書き
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