和音について(1)
三度構成の和音
古典和声の話ではなく、近代以降で使われる三度構成の和音を紹介しておく。
まず、七の和音
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この和音はそう種類が多いわけではないが、音程の組み合わせで七種類の七の和音が出来ることがわかる。
古典和声では、第七音と導音といったルールで、限定進行という名の解決方法を行わなくてはならないのだが、近代和声ではそのルールは適用されない。従って次のようなハーモニーをメロディーに対してつけることが可能となる。
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また、次のような平易なピアノ作品でも私は使ったことがある。
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ただ、ポップスで通常使われる進行でもあるので、そうした音楽に詳しい方は当然ご存知の進行であるだろう。これはカバレフスキーの子供のための練習曲の付け足しとして書いた曲であるので、カバレフスキーなどを教えている方、あるいは勉強した方は、あああの曲と思われるかも知れない…。

続いて九の和音に進もう。
長三和音と短三和音、減三和音、増三和音を一つの共通音を介して組み合わせたものが九の和音である。その種類を次にあげておく。
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×の印があるものは異名同音によって不可である。考え方がわかりやすいようにと、敢えてあげておいた。
減、あるいは増三和音を使えばより暗い響きがするし、それが短三和音、長三和音になれば明るさが増す。作曲家パーシケッティはこの響きの変化を耳で確認し、自在に扱えることが重要だと説いている。

さて、十一の和音について。
十一の和音は、2つの三和音を長三度で重ねる方法と短三度で重ねる方法がある。
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これに続いて十三の和音も紹介しておこう。
十三の和音は2つの共通音を介して3つの三和音を重ねることで得られる。一番下を長三和音にしたものだけを次にあげておく。いずれの場合も×の印がついたものは異名導音による不可の和音であるので、気をつけてほしい。
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この和音はほぼ例外なくどれかの音を省略して用いられる。そうすることで風通しが良くなり、響きの軽快さや、自由な進行が得られる。但し、根音を省略してはただ和音が変わってしまうだけなので、不可である。
また展開形も十三の和音では用いられない。やってみればそれはわかるはずだ。
これらの和音は、モードでとりあげたスーパー・ロクリアや上音列などのモードの構成音に一致するものが多く、こうしたスタイルで書かれる場合によく使われることも合わせて紹介しておこう。

こうした和音は純粋な三和音の中にいきなり出てきたらただバランスを壊し、突飛な印象しか与えないだろう。十分な準備をし、七の和音や九の和音と組み合わせて用いられるべきだ。
こうしたところをシステム化して最初は三和音、次第に十一の和音などの不協和に進み、クライマックスを作るという方法で作曲したのがヒンデミットであった。
時間切れ・・・この稿も続く(予定)
by Schweizer_Musik | 2006-10-04 06:47 | 授業のための覚え書き
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