ロメオとジュリエット第2組曲について
新たな月に入り、とりあえず再開しようかと…。色々と励ましのメールやコメントを頂き、申し訳ありません。皆様に心より御礼と、ご無沙汰をお詫び致します。

短い曲を2曲ほど残して「ロメ・ジュリ」のアレンジも終わり、急ぎの2曲はすでにわたしたので何となくのんびりして来ているところ。
そのプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」を今回深く勉強することができたのは、誠に私にとって良い機会であった。実に面白かった。久しぶりにブログを公開にするのにあたって、その一端を書いてみようと思う。

私のアレンジをしたのは第2組曲であったのだが、これはもともとバレエとして上演される見込みがなくなったプロコフィエフが「それならば」と作った管弦楽組曲である。従ってバレエ版とはかなりことなる部分がある。例えば、ソフトバンクの「予想外」のCMで使われている「モンターニュ家とキャプレット家」はバレエ版の第1幕「太守の宣言」と同じ第1幕の「騎士たちの踊り」がつなげられて出来ている。あのクラスターの恐ろしい響きの部分は「今後ヴェローナの平和を乱す者は死刑に処す」と宣言する部分の音楽なのだ。
また、この作品はライト・モチーフの手法を用いて作品が出来ているのだが、それをある程度知っていると、随分わかりやすく感じられるのではないだろうか?
この曲は分散和音で出来ているモチーフと、スケールによるモチーフの2つの対立する音群がそれぞれに振り分けられて全体を構成している。
まず、第2組曲の根幹に関わるメロディーである騎士のテーマである。
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分散和音のこの力強いテーマに対して低音で「反目のモチーフ」が対立するかのように同時に出てくる。
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このモチーフはスケールで出来ているが、このモチーフは実は第2曲で出てくるジュリエットのテーマと同じスケールの素材だと気が付くとその深さが実感できる。
続いてトリオ。ジュリエットがパリスと踊る部分であるが、このメロディーは美しいヴァイオリンのポルタメントを背景に大変艶めかしく感じられるところだが、このメロディーがそのまま最初の「騎士のテーマ」の音で出来ていることに気が付く人は、鋭い耳をしていると言えよう。
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続く第2曲の「若いジュリエット」の颯爽として茶目っ気たっぷりの音楽はどうだろう!!私はこの組曲の中で最も好きな音楽なのだが、いかが?
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続きはまた今度…。ちょっと風邪をひいてしまい、昨日は早く寝て今朝から一日、仕事もせずに寝ていたので、ちょっとこれだけ書いただけで疲れてしまった。久しぶりのネットへの復帰で疲れた…。
by Schweizer_Musik | 2006-11-09 20:04 | 授業のための覚え書き
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