金曜日の授業…
一日授業。朝九時半から休みは15分ほどで後は休みなしで19時までぶっ通しの授業はさすがにクタクタになってしまう。
ロメ・ジュリの音だしをしたそうだ。来週は私も聞かせてもらう予定。ただ、楽譜のミスがいくつか見つかり、その対応も今日は授業の合間に行う。全く目が回る一日だった。
最後に本科一年生の授業があり、課題が早く終わったので、ドビュッシーの「映像」第2集から「しかし月は荒寺に落ちる」を分析する。
何形式かという表面的なことを訊ねられれば三部形式であると答える他ないが、それではこの曲を理解することなどできない。
いくつかの構成要素に分解し、そのそれぞれがどういう音の扱いをされているかを調べることである。でこの曲の構成要素として4つの素材があげられる。
まず第1の素材であるが…
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これは4度構成の和声をオクターブで重ねて並進行させたものである。いわゆるsus4という和音に聞こえるが、これは4度構成である。それは一番上の音をオクターブさげるとわかる。
これに対して三度構成の和声が対置する。しかしその豊かな響きを支えるのは5度の響きであり、それは4度構成の響きの転回形であるのは自明のことである。
三度構成の和音は基本的な三和音の並行移動かと思えばそんなことはなく、意外と短和音に7を♯で響かせるなど、細かく響きの変化をつけていることに驚かされる。
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そういえば先の4度構成の和音も3小節目で3和音の転回から4和音の転回の1音省略形になっているところなど、ドビュッシーが機械的に音楽を作っていないことを思い知らされる点でもある。
この後、第2主題とも言える素材が続く。これは2つの素材で出来ていて、極めて技巧的だと思う。
まず最初に出てくる素材。
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このメロディーは次の五音音階(ペンタトニック)で出来ている。
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これに対して三連符のおそらくはドリア旋法によるメロディーも並行して提示される。
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この2つの素材が演奏される4小節の間、実はレの音が無いのだ。レを使わない4小節の後このフレーズが続く。
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これはヴェルディが「椿姫」の第1幕への前奏曲で使った手法である。あの有名なメロディーは次のように出来ている。
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この4つの素材が続いて展開される。どの素材がどう扱われているかはちょっと専門的になりすぎるので、ここではこの辺にしておこう。興味のある人は我が校に入学しましょう(笑)。
こんなことをやっていて、結局遅くなった。疲れた〜。もう寝る。
by Schweizer_Musik | 2006-11-10 23:39 | 授業のための覚え書き
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