高雅で感傷的なワルツについて -02
第2曲に入る。
次のような前奏がまず出てくる。
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絶妙なハーモニーで、独特の浮遊感があるが、これは次の和音を繰り返していることで得られている。
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おわかりのように短三和音に長七度の音を加えた和音と増三和音の交替によって出来ている。
では、5小節目の和音は一体何だろう?よく見れば異名同音で考えるとD-Fis-Ais-Cisの増3和音に7音を加えたものであることがわかる。(表記はその解釈に基づいているので、原典とき異なるのでご注意を!)
最後で瞬間的に属和音のFisが鳴り響く中、メロディーにFを使っている。モードによる主部に入る準備なのだが、瞬間的にジャズでよく使う属和音を思い起こさせるものとなっているのは面白い。(偶然だろうが…)
主部は典型的なドリア旋法で始まる。
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バスがトニカの和音のままオルタネーティングしている上にドリア旋法のⅠとⅣの和音を交替させている。
続いて前奏と同じフレーズが長二度上に移調されて挿入されると半音階的なハーモニーの次の部分が出てくる。
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このあと、前奏のフレーズが終わりを少し変えてはいるものの、更に二度上に移調されて現れ、ドリア旋法による部分が戻ってくるが、リ・ハーモナイズされて前のようなハーモニーと異なり複雑な響きを纏っている。
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ト長調のように解釈もできるが、B音を半音あげてH音にするだけで、ドリア旋法はミクソリディアになり、これはミクソリディアと解釈することもできる。いずれにせよ、9の和音で出来ている。続く2小節目のCisとEsの和音は経過的和音として無視すればこれで終わり。だが、メロディーを和声音として解釈すれば、F-A-Cis-Esという増3和音に短7度の音を加えた形となっている。
まとめれば、ミクソリディアかドリアによるメロディー(バスで根音を示されていなければ、レを主音とする調性ともとらえられる、言いようによっては何とでも解釈できる)を半音階的な揺らめきの響きを着せた感じといえるのではないか。
続いて、前奏のフレーズがまた戻ってくるが、これが大きく変容していることに注意すべきだ。
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ただ、こう変わっても、和音はよく見れば全く同じであることがわかる。クライマックスに相応しいヴォイシングになっているだけなのだ。
続いて最初の半音階的な挿入句が5度あげて(4度下げて)繰り返されて曲を静かに閉じる。

この稿、更に続く(かも知れない)。
by Schweizer_Musik | 2006-11-20 06:54 | 授業のための覚え書き
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