ロジェストヴェンスキーの指揮でエネスコの交響曲第3番を聞く
エネスコの交響曲第3番を聞いた。またまたナクソス・ライブラリーである(笑)。
この曲は以前、マルコ・ポーロ・レーベルで持っていたが、こんなに面白い曲だとは知らず、さぁーっと聞いてそのままになっていた。お恥ずかしい次第である。
エネスコと言えば、ルーマニア狂詩曲第1番のいささかライトな民族主義のようなイメージでいた。いやそれ以上に晩年のバッハの無伴奏などの録音で知るヴァイオリニストとしての印象の方がずっと大きいもので、私は彼の作曲は大変優れたヴァイオリニストの余技程度に思っていたところがある。がそれは間違いだった。
この作品は1919年に書かれ1920年に初演されているから、第一次世界大戦直後の作品ということになる。ストラヴィンスキーはすでに古典的な書法にスタイルを変化させていた時代であり、パリでは6人組が産声をあげた時代である。
新古典主義とシェーンベルクなどのドデカフォニーの音楽が前衛であった時代に、このような厳しい響きのシンフォニーをエネスコが書いていたとは驚きである。
ライトな民族主義などどこにもない。それどころか、深い喪失感と絶望、そして平和な音楽が渾然一体となった独特の世界が描かれているのだ。これには驚いた。
彼の室内楽などにはドビュッシーなどの影響が色濃く反映したものがあったりするので、この作品にもそうしたものが聞かれることは意外でもなんでもないが、強い不協和や増音程を強調したあたりは某かの曲に込めた強い思いが感じられる。
終楽章に女声合唱がハミングで加わるのは、ドビュッシーのノクチェルヌを思い出させるが、オルガンやピアノも使われていて、響きの同質性以上にエネスコのアイデアが全面に出ているように思う。
指揮はゲンナジ・ロジェストヴェンスキー。オケはBBCフィルハーモニー管弦楽団。この演奏あってのこの深い感動である。ぜひ一度お聞きになることをお薦めしたい。
by Schweizer_Musik | 2007-02-25 19:09 | ナクソスのHPで聞いた録音
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