ライトナーとアースによるモーツァルトK.488
最近出た放送音源の中でも、このProfilレーベルのものはなかなか面白いものが多く、私も随分色々と聞いてきた気がする。
ライトナーが振ったブラームスのハイドン・ヴァリエーションとアースと共演したモーツァルトのピアノ協奏曲イ長調K.488、そしてヴォルフ=フェラーリの歌劇「マドンナの宝石」の中から2つの間奏曲が収められている。
ブラームスはWurttemberg State Orchestra Stuttgartとあり、ヴュルテンブルク州立管弦楽団とでも書けばいいのだろうか?まずまずの出来だが、冒頭から木管がいささか弱く、テーマを演奏するオーボエなどフラフラしたボー弾きといった感じであるが、それをうまくカバーしてライトナーはまとめている。しかし、これについてはわざわざ買ってまで聞こうとは思わない。フルトヴェングラーやカラヤンの良い演奏を持っているから…。
肝心のアースのモーツァルトはさすがに良い演奏である。すっきりとしたテンポでライトナーも実に手慣れた共演振りで、安心感のある演奏である。とは言えprofilのものとしてはかなり雑音が多くおそらくは同時期に録音されたとおぼしきグラモフォン盤には及ばないのではないだろうか?しかし演奏の清々しさは最高で、今朝一番に聞く音楽に相応しいものであった。彼女はほとんどテンポを動かさない。その語り口は実に流暢なものであるが、だからと言ってフレーズのそこかしこにある余韻の深さは味わい深い。聞いていてアースの存在はどこかに消えてモーツァルトだけがそこにいるという演奏…私はそんな演奏が理想なのだ!ああこれで録音がよかったなら、どれだけ素晴らしかったことだろう!持続するノイズに悩まされながら、結局最後まで聞いてしまった。
最後にヴォルフ=フェラーリの歌劇「マドンナの宝石」から2つの間奏曲が入っていたので聞く。一曲目は、昔の名曲コンサートの定番だったものだ。何十年ぶりかで聞いてみて、このセンチメンタルなメロディーもなかなか悪くないなどと思った。オケはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。上手いに決まっているのだが、録音がモノラルで分離が今ひとつという点を除けば、この曲の最高の録音の一つではないかと思う。もう一曲、あまり有名でない方は私は意外と好きで、時々聞くものであるが、この演奏のように鮮やかなものは初めて聞く。何ということもない曲なのだが、爽快感が好きなのだ。ライトナーの録音が良ければ、これが私のスタンダードとなっただろうに!うまくいかないものだ。
by Schweizer_Musik | 2007-02-27 06:49 | ナクソスのHPで聞いた録音
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