カルミナ・ブラーナ考察 (2)
この作品におけるメロディーはとても面白い形で出来ている。16小節で一つのまとまりとなっているのだが、たった3つの音だけで出来ているメロディーなのだ。次に示しておこう。
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これが繰り返されて前楽節と後楽節が出来ている。
これを三度あげて更に繰り返すのだが、伴奏は次のパターンで全く変わることの無い形が維持されている。ミニマルのような持続性とそこから来る官能と興奮を押し殺したような表現の中に秘められているのではないか。
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この伴奏とメロディーのリズム、拍子感は明らかに二拍子と三拍子を混在させたものとなっている。そして56小節にわたって、全く変化することなく、繰り返されるのだ。それもピアニシモで!
フォルテシモになってもこの伴奏の形はトゥッティで重ねられるだけで、延々と変わらず、最後の9小節で短三和音が長三和音になるのだが、基本的にはそれ以外はほとんど変わらない。ミニマルと言っても良いくらいなのだが、民族性、土俗性を生かした結果がこうなったと言うべきだろう。
昔、あるほら吹きならぬクラリネット吹きの男が「オーメン」の音楽みたいだと言っていたが、まぁ、大して大きな違いはないだろう。
まだ一曲目。更に続く予定…。
by Schweizer_Musik | 2007-03-08 22:13 | 授業のための覚え書き
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