ボリショイ劇場管弦楽団のボロディン…酷い!
エルムレルの指揮したボロディンの交響曲全集を手に入れた。オケがボリショイ劇場のオケということで興味をそそられて購入してしまったけれど、無惨な演奏であった。弦のピッチが揃っていないし、響きの重心は低くならず、軽量級のボロディンで、やや調子のはずれたトランペットがそれに華をそえるという有様で、かつて名演を送り出したオケとは思えない為体である。
エルムレルは2002年にお隣の韓国のソウルで亡くなったけれど、どんな指揮者だったかさっぱり思い出せない。この録音は2000年のものということで、1932年生まれのエルムレルとしては晩年の録音ということになろう。
70代ということで、毎日運動をして長生きできる確率の高い指揮者にしては早く亡くなった方だった。
このアマ・オケのようなボリショイ劇場(まじめにやろうと思っていないみたいだ)を前に、指揮者のエルムレルは深い呼吸のタメを感じさせたりはしているものの、私は少々うんざりであった。ロジェストヴェンスキーがシャンドスに録音したものを先日横浜で買ってきたけれど、あれが今の時代の標準ならば、ロシアのかつての名門も地に落ちたと言わざるを得ない。ストックホルムのオケの方がずっとアンサンブルも良いし、個々の奏者の技能も上だ。
ああ無駄なお金を使ってしまった…。良い演奏を手にすることもあれば、こんな酷い演奏もまだ出回っているのだ…。私は今後、新しいボリショイ劇場の録音は二度と手にしないだろう。
by Schweizer_Musik | 2007-05-31 02:12 | CD試聴記
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