VOXレーベルのモーツァルトのピアノ協奏曲集…なかなか良い!
モーツァルトのピアノ協奏曲で17番以降をヴァルター・クリーン、イングリット・ヘブラーなどが演奏した古い録音を集めたものを聞きはじめたところ。オケはミスターSの指揮するミネソタ交響楽団やウィーン交響楽団、あるいはウィーン・フォルクスオパー管弦楽団などである。
今、第17番を聞き始めたところだが、これはクリーンのピアノ、ミスターSの指揮するミネソタ交響楽団である。おそらく1970年代の録音と思われるが、なかなかに良い演奏で聞き惚れている。オケがちょっとガサガサした音なのは録音のせいだろうが、第2楽章の木管のソロの受け渡しなどで、ああこれがウィーン・フィルだったらとか思わないでもなかったけれど、ピタリとつけるミスターSのいつもながら見事な棒に、クリーンの珠を転がすかのような美しいタッチ(若干硬質なのは惜しいけれど)は、魅了してやまない。
続いて聞いたK466ニ短調協奏曲はイングリット・ヘブラーのピアノ、カール・メレス指揮ウィーン交響楽団である。おそらく1950年代の終わり頃の演奏ではないかと思うが、オケがとても頼りない(笑)。弦はピッチが怪しく、ちゃんと弾いている奏者は半分くらい?というレベル。これならアマオケでもっと上手いところが一杯ある。そんなことはともかく、ピアノが入ってくるといきなりピントがあってくるあたりはさすがである。オケも良くなりはじめるから、これは指揮者の責任なのだろう。カール・メレスという指揮者はどんな人なのか知らないけれど、この程度なら私でも…(笑)。
しかし、ヘブラーのピアノは後年の一言一句間違わないようにというような慎重さが良い意味であまりなく、颯爽としていて良い。大体ヘブラーというピアニストは、若い頃の録音の方が良かったように思う。フィリップスの全集録音でも録れ直したものよりも最初の方が良かったりしていた…。(戴冠式なんて、宇野氏が賞めていたおかげで中学生の頃、買って聞いたけれど、やっぱり良かった)
そんなことを思いながら、この録音を聞く。指揮者に人を得れば、更に良かったろうに…ギャラをケチったんだろうな…。続きはまた…。
by Schweizer_Musik | 2007-06-11 21:45 | ナクソスのHPで聞いた録音
<< 長谷寺散策… ギトリスによる20世紀ヴァイオ... >>