ストラヴィンスキーの弦楽四重奏のための3つの小品について
昨日は水曜日であったのだけれど、休みが多く、授業がとてものんびりしていた。おかげで色々と反省する時間も出来て、自作の改変も色々としてしまい、帰ってからブログをひらくと、前日に作った下らないサックス四重奏が出てきて、頭に来て削除!関連するファイルを全てゴミ箱に入れて「空にする」をクリックした。何だか赤子を堕胎したようなイヤーな気分に陥る。
それでも現代音楽の授業は行う。多調性の説明をする予定であったが、ストラヴィンスキーの弦楽四重奏のための3つの小品をとりあげた。ミヨーの小交響曲のスコアも持って行ったのだが、これはお蔵入りさせた。

ストラヴィンスキーは凄く面白い作品である。ここまで単純化した音楽にストラヴィンスキーは一体何を託したのだろう。それを考え、彼の音楽の分析をしているだけで、知的な興味とストラヴィンスキーのミニアチュールの世界の広大無辺な何か…(矛盾した変な言い方!)を感じる。
私は第一曲だけを分析したのだけれど、なんて面白いのだろう。たった一分にも満たないこの作品を見ているだけでも愉しくなる。

第1曲は4つの楽器、それぞれに拍子が出てくる。とりあえず第1ヴァイオリンに出てくるこの曲のテーマをつぎにあげておこう。
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3拍子と2拍子が2つ。規則的に出てくる形で出来ている。規則的なのだから、7拍子であると解釈することもできるだろう。
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しかし、そう考えるよりも、このメロディーはアウフタクトの2拍子であると解釈するとわかりやすい。もちろん拍子感、アクセントの置き方は違うけれど…。
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こうして単純にしてみてみると、メロディーは3つの部分から出来ていることがよくわかる。即ち11拍の最初のフレーズ、そして6拍の次のフレーズ、そして同じ6拍の次のフレーズである。
このメロディーはたった4つの音で出来ていて、素朴な民族舞踊のフィドルのような趣きを持っている。
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第1ヴァイオリンはこの4つの音しか弾かないのだが、第2ヴァイオリンも4つの音しか弾かない。それは次の4つである。
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この音階から次のフレーズを間隔を開けて繰り返すだけである。
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間隔は6拍から9拍開けてくりかえされるが、この間隔については特に規則的なものはないが、Fis-E-Dis-Cisの音型を1つと2つを交互に出てくる程度である。
ヴィオラはおそらくパグパイプのドローンのような役割と太鼓の役割を与えられている。ヴァイオリンには4つの音が使われていたけれど、ヴィオラに至ってはほとんどの部分がD音だけで、これをsul ponticelloで演奏し、小節の頭にアクセントとしてpizzが加えられている。
チェロは太鼓のパートだろう。ピツィカートだけであるけれど、半音でぶつけられていて太鼓のような響きを与えている。
この2つのパートは3拍子と2つの2拍子の変拍子を強調する役割を与えられているのだ。
そしてひたすら繰り返しただけで曲き完成している。短いけれど、この「踊り」の楽章の与える印象は強烈だ。それはTalon(弓の根元)でという指示がほぼ全曲にあって不思議な響きを持った音楽になっていることにもよる。

この授業は、ボロディン四重奏団の演奏で行った。いくつか持っているが、この演奏が一番気に入っている。
by Schweizer_Musik | 2007-06-28 08:31 | 授業のための覚え書き
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