ニュース・ステーションのスイスのエコ事情の取材について
ニュース・ステーションのスイスのエコ対策についての話は、いつものことだけれど、ちょっと誇大な言い回しで辟易としてしまった。ツェルマットの自動車規制の話やレッチュベルクのカーフェリーなど、エコ対策としてこうしていると表現している。
確かにそうだ。ただ、温暖化対策として紹介するのはちょっと変。スイスはガソリンなどより豊富な電気を使った方が良いという事情もある。ツェルマットが自動車の乗り入れを拒むのは、自動車を通すような道路整備と駐車場を作ることが出来ないという事情が背景にある。
また、ツェルマットは谷の最奥の村であり、その先は4000メートルの山々に囲まれていて、通り抜けることができないという事情もある。そうしたことをご存知なかったようだ。
レッチュベルクのカーフェリーについても、それほど珍しがる話ではないと思うが…。

取材すべきものがもっとあったはず。例えば農業保護の話。あの風景を維持するために、国がどれだけお金を使っているか。あの山国に極めて細かな鉄道網が何故維持されているのか。赤字ではないのか…等。
特に、農業政策について、あの先進国がどういうバランスの上に農業を考えているのか、学ぶべきことはもっとあるように思う。経済の原理だけで格差を拡大して都市部に全てを集中させて恥じない、どこかの国とは違う政策がかの国では何故出来ているのか?自治というものに対しての意識が、我々日本とは全く異なるということにもよるのだが…。ここまで紹介しようということになれば、1時間番組となるだろうから、まぁ無理だっただろうけれど。
それでも…。
自然を維持するためにどうしているのか。河川の改修は日本のようなコンクリートで護岸工事して真っ直ぐにしてしまうというものでなく、自然の形に近いものであるとか、水の浄化のシステムとか、紹介してほしかったものだ。
ツェルマットやローヌ氷河の後退の話ではあまりに表面的でしかなく、こうしたことでエコロジーを標榜する程度では…。もっときちんと取材してから紹介してほしいものである。こんなことではニュース・ステーションの内容の乏しさを痛感してしまった。

エラソーなことを書いてしまった…。ごめんなさい。
by Schweizer_Musik | 2007-08-21 22:42 | 日々の出来事
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