モーツァルトの「新発見」交響曲?
まがい物「チャイコフスキー」の交響曲「人生」の「発見」が話題となっているが、このような記事の方がずっとほほえましく思う。

「モーツァルトの未発見曲の可能性があるとして鑑定中の交響曲を、日本人指揮者前田二生さん(71)=北九州市出身=が今春、オーストリアのウィーン楽友協会のコンサートホールで初演指揮」とのこと。
さて、この交響曲が本物のモーツァルトであるかどうかはわからない。何しろ、多くの学者が偽物と断じた旧ランバッハはモーツァルトの真作であり、多くの学者が真作と信じた新ランバッハは実はモーツァルトのものではなかった・・・。
こうしたことはいくらでもある。特にモーツァルトは酷いが、あとハイドンに贋作が多いという。
自分の名前じゃ売れないからと、出版に当たって有名作家の名前をつけて売るという、今、問題になっている有名ブランドの贋作問題そっくりのことが、音楽でもあったからだ。
例えば、ハイドンの「セレナード」である。ホフシュテッターという人の作品を偽って出版されたものだったし、ディヴェルティメントあたりになると、どれほどの贋作があるのやら・・・。
後世の人々が誤ってしまったものもある。モーツァルトの37番の交響曲がそうだ。今日、滅多に演奏されなくなったこの曲の作曲者はミヒャエル・ハイドンである。間違えたのも無理ないところがあるのだ。何しろ第一楽章の序奏をモーツァルト自身が書いているのだから・・・。

で、今回の「新発見」であるが、このところ「オーデンセ」と名付けられた交響曲やヘ長調の交響曲など、初期の失われていた作品がいくつか発見されて、新しいケッヘル番号がつけられている。
この作品が新しいケッヘル番号をもらえるかどうか、わからないが・・・。
by Schweizer_Musik | 2005-02-15 19:50 | 音楽時事
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