食欲の秋だ!…音楽を聞こう -09. ドヴォルザークの「アメリカ」
作曲者 : DVOŘÁK, Antonín 1841-1904 チェコ
曲名  : 弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調「アメリカ」Op.96 B.179 (1893)
演奏者 : コンコード弦楽四重奏団【マーク・ソコル(vn), アンドリュー・ジェニングス(vn), ジョン・コハノフスキ(va), ノーマン・フィッシャー(vc)】
CD番号 : VOX/CDX-5149
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食欲の秋だ!…音楽を聞こう -09. ドヴォルザークの「アメリカ」_c0042908_19253190.jpgドヴォルザークの室内楽を聞いていたら、久しぶりに「アメリカ」を聞いてみたくなり、いつもお世話になっているナクソス・ミュージック・ライブラリーにあるコンコード弦楽四重奏団の演奏を聞いていた。
1970年代末から1980年代にかけての録音をまとめたものなのだけれど、なかなか上手い!切れ味の鋭さと豊かな抑揚に満ちていて、腕も達者!とても上手い。弦の美感にも欠けていないけれど、もう少し柔らかな響きが私は欲しい。
先日、トーンハレ管弦楽団のメンバーを中心としたヨーロピアン四重奏団の演奏を聞き、耳につく音を全く出さず、それでいてよくホールに響き渡るとても良い音を聞いたばかりなので、この音に関する限り私の好みとはちょっと違うところがあるのだけれど…でもアンサンブルの良さ、反応の良いアンサンブルはいかにもアメリカという感じでとても良かった。
テンポも変化させ、それぞれのメロディーの性格を強調し、陰影を付けているあたりはとても良いのだけれど、立体感に乏しいのは、音色が一様であるからかも知れない。
こうした特質は、第3楽章や第4楽章、特に汽車が疾走する終楽章のリズムの切れはこの曲の最高の演奏の一つと言っても良いと思う。
かつて、ショルティの演奏を聞いて物足りないと感じたこと、そして凄いなと感じたことがこの演奏の中にもあった。別にアメリカ人の演奏の特徴がこれというのとは違うけれど(も少し芸術は複雑な性格を持っているから)、面白い共通点だなぁとふと思ってしまった。
昔、霧島音楽祭で、全盛期を過ぎていたけれど、目の前でこの曲を演奏するのを聞いたスメタナ・カルテットの演奏のトップはまだ変わらないようだ。
by Schweizer_Musik | 2008-09-14 07:31 | 食欲の秋だ!…音楽を聞こう
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