食欲の秋だ!…音楽を聞こう -14. マンシーニ自作自演集
作曲者 : MANCINI, Henry 1924-1994 米
曲名  : マンシーニ/映画「ティファニーで朝食を」(1961) 〜 ムーン・リヴァー他
演奏者 : ヘンリー・マンシーニ(pf)指揮 ロイヤル・フィルハーモニック・ポップス管弦楽団
CD番号 : DENON/COCO-70508
リチャード・ヘイマン編曲による録音は こちら
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中秋の名月は雲に隠れて私は見ることが出来なかったけれど、月と言えば秋というのはこうしたことから私の頭に刷り込まれたものらしい。
アメリカのフィルム・ミュージックの大家、ヘンリー・マンシーニが書いた「ムーン・リヴァー」はかつてはポップス・オーケストラの定番だったけれど、今はどうなのだろう。
昔、テレビで放映されたオードリー・ヘップバーン主演の「ティファニーで朝食を」を見た時、日本人の描き方に憤慨したものだが、ヘップバーンの美しさに魅了されたものだ。その主題曲として流れていた「ムーン・リヴァー」は映画を見るずっと前から私は好きでよく下手なピアノで弾いてみたりしていた。
和音が当時の私の知識ではどうしても分からないところがあったりして、さすがにマンシーニの和音は変わっているなぁなどと今から思えば無知としか言いようがないことを思っていた。
このマンシーニという人は、オリジナル・サウンドトラックの発売を禁止していたことでも有名で、彼が関わった映画なりテレビのオリジナル・サウンドトラックの録音は発売されたことが多分ないはずである。
オリジナル・スコアの録音はあっても、録音クオリティの低い、あるいは映画制作のために音楽が無理にゆがめられたものを売るということに我慢が出来なかったのだろうが、そうしたところらも、マンシーニらしい完璧主義が見え隠れして興味深い。
この自作自演集は、数年前にデンオンからまとめて1000円盤として出たときに買ったものだが、私のと違ってマンシーニによるセンス満点のピアノも聞けてお徳用盤とも言え、広くお薦めしたい一枚。今でも時々見かける(限定って書いてなかった?…)ので、見かけたらお買い求めになられても良いかもしれない。

ムーン・リヴァーという名前から、私には秋の曲となっている。冴え冴えと透き通った秋の夜空に煌煌と輝く月への賛歌のように私は思うのだ。
ヘイマンによる録音も悪くはないけれど、ぜひマンシーニのよるオリジナル・スコアに沿った演奏をお聞き下さることを願ってやまない。マンシーニの曲は色々なアレンジが出ているけれど、オリジナル・スコアに優るものはやはりないからだ。
他にもマンシーニの作品が収められているが「ピンク・パンサー」の「クルーゾー警部のテーマ」やソフィア・ローレンの演技と最後の場面が忘れられない「ひまわり」のテーマ、更に同じくヘップバーン映画の「シャレード」のテーマのアッというどんでん返しのような冒頭など、下手なアレンジではどうしようもないアイデアが満載だ。
なかなかの名盤だと思うのだけれど、これ以外はアメリカのテレビの主題歌だったりで、ちょっと地味な選曲なので、レギュラー・プライスの頃は私もちょっと買いそびれてしまっていた(笑)。
台風一過の青空が広がっていて、今日は月見でもしようかと思っていたら雲が出てきた。どうも天気は思うようにはいかないもんだ。
写真はさっき、晴れ上がった西の空と天神山。
by Schweizer_Musik | 2008-09-20 10:46 | 食欲の秋だ!…音楽を聞こう
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