カラーエフの「ドン・キホーテ」
作曲者 : KARAYEV, Kara Abul'faz ogly 1918 -1982 アゼルバイジャン
(アゼルバイジャン語ではGARAYEV, Gara Abulfaz oghluと表記するらしい)
曲名  : 交響的エッチング「ドン・キホーテ "Don Kikhot (Don Quixote)"」(1960)
演奏者 : ドミトリ・ヤブロンスキー指揮 ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
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8つの小さな楽曲からなる組曲のような作品で、その昔、はじめてカラーエフを聞いたのは確かガウク指揮にひかれて買ったこの作品だった。
もう一つの「ドン・キホーテ」としても面白い。大体「ドン・キホーテ」を題材とした音楽ってどのくらいあるのだろう。マスネに歌劇があったし、フョードル・シャリアピンの映画のために作られた歌(ラヴェル、イベールなどの作品が有名)、更にシュトラウスの交響詩もあったし、テレマンに管弦楽組曲もあった。レオン・ミンクスのバレエも以前テレビで見たことがある。ミュージカルでよく知られた「見果てぬ夢」という歌もこの「ドン・キホーテ」が原作だった。
スカパー!のクラシカジャパンで以前こんなシリーズをやっていたっけ…。
でも、カラーエフは無かったなぁ。こうして聞くと結構いいのだけれど。
LPは随分前に売ってしまったので、聞き返すことはできないけれど、こうして新しい録音で聞けたのは有り難い。
「さすらい」とタイトルがつけられた歩くような音楽ではじまり、「総督サンチョ」という威張り散らすかのような音楽が続き、再び「さすらい」の音楽が変奏されて出て来る…。
こういう感じでドン・キホーテの死までを18分ほどで描くわけであるが、メロディーにも欠けておらず、聞き所の多い名作だと思う。
ガウクの古めかしい録音ではよく分からなかったことも、この最新の録音では聞こえてくる。
ナクソスは最近、優秀な録音が増えてきている。録音スタッフにもある程度お金をかけているみたいに思われ、yurikamomeさんの良いステレオで聞くと良いだろうなと思わせる。
これで弦がもっときれいだといいのだけれど、ロシア・フィルは神奈川フィルの水準ではないので、無い物ねだりをしていることになる。
こんな面白い曲を現田茂夫指揮神奈川フィルで聞けたらいいだろうなぁ…。これまた夢のような話…。
by Schweizer_Musik | 2008-10-21 06:53 | ナクソスのHPで聞いた録音
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