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コンサートのご案内
10月末から10日ほどかけて作曲した組曲「紺碧の海へ」が来年1月17日に初演を迎えます。
久しぶりに、聞きやすいライトなスタイルで書きましたが、短い時間で仕上げましたが、まずまずの出来だと自負しております。
昨年夏、郷里の河内長野のコンサートでご一緒させていただいた久保田裕美さんの阪神淡路大震災と亡きお父上への思いが、東日本大震災に重ねられたコンサートということで、それに作品の提供という形でご一緒させて頂くことは、大変光栄なことと考えています。
お近くの方はぜひお聞き頂ければと存じ、ここにご案内させていただきます。
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by Schweizer_Musik | 2014-11-13 06:12 | 音楽時事
展覧会の絵のコンサートが終わる
昨日は、上福岡フィルハーモニーの演奏会で、私が編曲したムソルグスキーの「展覧会の絵」の初演があり、体調がやや思わしくなかったものの、強行して出かけた。まっ、行ったかいはあったと思う。大きなパートのミスが発見できたりと色々あった。
が、やはり聞いてみて、あれやこれやと自分なりの反省も出来、またうまく行ったところなどのアイデアが蓄積されたことがうれしい出来事だった。
ずっと前からやりたかった曲が出来、そしてそれが音になるという幸せを噛みしめている。演奏に尽力いただいた皆様、そしてなによりも聞きに来て下さったお客様に心から感謝、感謝です。
後の打ち上げでは、もう体調のことをすっかり忘れて飲み、ギリギリ最終で帰るということまでしでかしてしまったが、まっ、体調を崩すことなく、今朝に至っているので、まだ緊張感がちょっと続いているような気持ちにさえなる。
アマ・オケなので、そりゃ色々あるけれど、音楽を皆が楽しんでいることが実感できるのは、お金に代えられない何かがあると私は思っている。体力が続けばもう少し係わっていたいと思う今朝の心境だ。

展覧会の絵の演奏では、色々と事件も起こっているけれど、それはご愛敬としてお許し頂き、全曲をこちらの私のHP上(Tableaux d'une exposition)にアップしたので興味のある方はどうぞ。
視聴にはQuicktimeが必要ですので、ソフト(無料)をインストールしてから御視聴ください。

写真はチューリッヒの美術館。展覧会ということで…(笑)
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by Schweizer_Musik | 2011-12-05 09:31 | 音楽時事
御礼!!ノイエ・ムジカ東京第二回定期演奏会無事終了す
ノイエ・ムジカ東京の第二回定期演奏会が無事終わることができた。来て下さったみなさんから、良かったとお褒め頂き、恐縮至極であった。お客様あっての私たちである以上、皆さんが喜んで下さったことを糧に、更に精進していかなくてはならないと、肝に銘じて次のコンサートの準備をしていきたいと思っている。
ご来場いただいた皆様に心から御礼を申し上げます。ありがとうございました!!

さて、昨日のコンサートについて、音楽監督として感じたことを書いておきたい。
第一回の定期コンサートでは、まだ少し水準の低さを露呈している部分があり、木管、金管ともに曲がフランスものだったということもあって、音の鳴りという点が問題があった。
また、バランスを気にするあまり、音が小さい方にバランスをとるという状態で、説得力に欠けるところがあった。ミスなどは人間のすることなので、問題ではなかったけれど、この点を私はいささか残念に思っていた。しかし、団は6月、7月のメンバーの交替から先日のショパンの協奏曲の演奏を経て、少しずつ個々の力がまとまってきたように感じられる。特にこの一ヶ月での変化は著しいものがあったと思う。
ただ、まだ室内楽編成に慣れていないところもあり、安全にやろうとして失敗してしまう傾向もなくはない…が、それもずいぶん少なくなってきており、音が出て来たなという印象を持っている。
室内楽である以上は、誰かに寄りかかって演奏することは許されない。常に耳を働かせ、周りの音に俊敏かつ鋭敏に反応して演奏しなくてはならない。それぞれが能動的に音楽を作っていくという姿勢が何よりも大切だと私は考えている。が、まだそれに今ひとつ乗り切れない部分と、パッとそれにのって音を出している者との差がまだある。しかし、それも今回は、ずいぶん縮まって来ていて、良い傾向だと思っている。
1曲目のマルティヌーではまだ乗り切れていないのか、音も滑り気味で、今ひとつ落ち着いて聞けないところもあったが、後半の3曲とアンコールの1曲は大分、乗りが出て来ていたし、音も室内楽として良い響きになってきていた。
響きの透明感はないけれど、説得力のある音に変わってきた。これはマエストロの力も大きいが、皆が1つの山を越えた瞬間でもあった。

ずいぶん何やかやと、忙しくこの半年ほどはほとんどノイエ・ムジカのために時間を使っていたようなものだった。全力でと言っても、もうこの歳なので、大したことはできないけれど、私なりに全力で夏から後、やって来たがそれもようやく一段落ついた。何と言っても主催者である以上、責任があるので、かなり体力的にきつい二ヶ月だった。続けられるかなぁと不安にも思う今日この頃である。
コンサートの全プログラムをこちらのVideo Archive に置いてあるので、興味のある方はどうぞ。

写真はコンサート前に撮った記念写真。開演が迫っているとちょっと慌てていたこともあり、ユーフォニアムのN君にサックスがかぶっていたことに気がつかなかった。N君本当にご免なさい!!
次のコンサートまでこの写真でお許しを!!
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by Schweizer_Musik | 2011-12-03 14:09 | 音楽時事
ご案内…
11月13日に私の郷里の大阪、河内長野市にあるラブリー・ホールで行われる「カフェ・コンチェルトシリーズ 2011Vol.3 声楽アンサンブル ピュアエンジェル 天使からの贈り物Ⅶ」というコンサートで、私の作曲した「おかあさんの手」という歌が演奏されます。
私は行けるかどうか、全く予断を許さない状況なのですが(ノイエ・ムジカ東京の定期演奏会と、展覧会の絵の新編曲の初演が間近に迫っているため)なんとか、行けるようにしたいなぁと考えているところです。
あちらこちらで、あの小さな私の歌が歌われ、愛されていただくことは、作者として望外の喜びであります。
三年ほど前に作曲し、二年あまり前にスイスのバーゼルで初演されたあの作品が、私の郷里で支持されているのは何だか不思議な気分でもあるのですが、お近くの方はぜひ。

2011年11月13日(日)
会場 : 河内長野市立文化会館「ラブリーホール」大ホール (1303席)
開演14:00(開場 /13:15)
料金【ケーキセット付鑑賞券(限定150名)】1,500円 ※当日販売なし(全席自由席・税込)
【鑑賞券(飲食サービスなし)】前売1,200円 当日1,500円(全席自由席・税込)

●声楽アンサンブル ピュアエンジェル
堺シティオペラの会員として、ソロ活動、コンクール、アンサンブル、コーラス等で声楽家として演奏活動を続けるポップでキュートなメンバー達です。故源氏克比古氏プロデュースにより2000年に結成されました。ヒルトンプラザの「トワイライトコンサート」、大阪音楽大学オペラハウスでのコンサート、大阪倶楽部でのジョイントコンサート等で演奏しています。

●源氏万記子(ピアノ)
大阪音楽大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻卒業。 ピアノ協奏曲、リサイタル、コンサート等のソロ活動の他、ピアノ・デュオ等のアンサンブル活動、また数団体に及ぶ合唱団の指揮やピアニストを務めるなど、幅広い面での演奏活動を行っている。PTNAヤング・ピアニスト・コンペティション西日本 本選会G級第1位入賞。摂津音楽祭リトル・カメリアコンクール奨励賞受賞。宝塚ベガ音楽コンクール入選。ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院及びニース国際アカデミーの夏期講習に参加。セルゲイ・ペルティカロリ氏、ジャン=フランソワ・エッセー氏のクラス修了。故金澤益孝、N.シェトラー、K.ケナー氏に師事。全日本ピアノ指導者協会、宝塚演奏家連盟所属、堺シティオペラ会員。


●ラブリーホール・サービスカウンター
(チケット予約専用テレフォン)0721-56-6100
0721-56-9633 【10:00〜21:00】 ※一般発売初日は14:00~受付開始

以上、ご案内でした!!

写真はわが郷里の里山の風景。スイスとともに、私が愛してやまないふるさとの風景である。
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by Schweizer_Musik | 2011-09-17 21:15 | 音楽時事
伊藤 晃君のリサイタル用のプログラム・ノートを書いた
今日は、来る10月29日(土)18;30開演の伊藤 晃サクソフォーン・リサイタル(永福町 sonorium)のプログラム・ノートを書いた。
よく知っているというにはほど遠い曲ばかりで、骨の折れる作業だった。結局半日こりに費やしてしまったが、まあ、なんとか出来上がった。
伊藤君は、私の作編曲の授業をとっていたこともあるし、彼のお姉さんが、友人のピアニスト松村英臣氏の弟子でもある。その彼がはじめてソロ・リサイタルをひらくというのだから、お金もかかって大変だろうから、この解説の仕事は、ご祝儀がわりということで、タダでやることにした。したがって仕事であるようでないようで…。
こうしたお金にならないことが多いのも事実であるが、つきあいは大切にしないと…。
それにしても、珍しい作品であっても、大概はYou Tubeにあるという凄さ!!これには驚くしかない。リュエフの無伴奏サクソフォン・ソナタはこれではじめて聞いた。彼女の他の作品はいくつか持っているのだけれど、この曲だけは聞いていなかったので、何度も聞き、曲の構造を理解してから書いた。
こんなことをやっていたので、遅くなってしまったのだ。
今、メールにして送ったので、後は彼良いようにするだろう。ああ疲れた。充実していたことには違いない。今日も感謝!!

写真はバーゼルの旧市街。春先。まだ冬の日差しに影が長く伸びて、ちょっと雰囲気が良かったのでパチリと撮った一枚。懐かしいなぁ…。
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by Schweizer_Musik | 2011-08-29 23:11 | 音楽時事
コンサート解説シリーズ (12)
月3日のノイエ・ムジカ東京の第一回定期演奏会のプログラムから私、徳備康純作曲による「風の変容」についてです。

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徳備康純作曲 ヴァイオリンとピアノ、室内合奏のための協奏曲「風の変容」

この曲は六つの部分(段)からなる一種の変奏曲です。日本風に一段目、二段目として、それぞれにタイトルをつけています。
最初の段は"Anamnesis of wind and song of the sprit"で、sprit=木霊(こだま)の歌う定旋律にのって独奏ヴァイオリンが風の歌を歌い出します。"Anamnesis"とは、プラトン哲学に出てくる言葉で、人間の魂が胎内に宿るまで天界で眺めていたイデアを「想起」することで真理を認識するという意味だそうです。
第2段の"The wind blows and crosses"では、ポルタメントの風のささやきに乗って鳥の歌がかすかに聞こえてきます。
第3段の"The sprit of great cedar (the Kanjin-sugi) - Echo of the sprit"では、私の郷里の流谷八幡神社の銘木「勧進杉」に寄せた、ヴァイオリン、フルート、クラリネットを中心としたカデンツァです。巨木の梢に吹きくる風を思い、かすかな音と気配を音楽の中から感じていただけたらと思います。
続く第4段ではカデンツァの平穏で穏やかな世界から一転、テンポを速め、ダイナミックな世界が表出します。"Ripple marks (Trace of God)"とつけられたこの音楽は、Ripple marks=風紋を「神の指紋」に喩えてその神秘に畏怖する心を表現しようとしたものです。
それに続く第5段ではまた一転して静寂が訪れます。"Monolog of various winds"という二つ目カデンツァでが、神秘的な風の歌を歌います。そして、最後の"from here to eternity"と題された第6段へと全てが収斂し、遙かな永遠へと風の歌は消えていくのです。
第4段を中心としてシンメトリックな構造を持つこの作品は、静寂の中に聞くかすかな声、かすかな音の生成とその行く末を描こうと思ったものです。

ところでこの曲は、今回ピアノを担当して下さる津田さんのご主人で、私にとって大切な友人でもあるスイスの指揮者ダニエル・シュヴァイツェル氏に献呈いたしました。氏は、若い頃から絵もよく書かれ、ご自宅にアトリエも持っておられます。彼がごく若い頃書かれた「木」の絵がチューリッヒのご自宅の玄関ホールに飾られており、その絵がどこか勧進杉に似ていて不思議な印象を私は持ったのでした。2005年にその絵を実際に見て、ふと思いついたモチーフを五年あまり温めてきた結果、この作品へと結実したのでした。
昨年の今頃、シュヴァイツェル氏は病を得て入院したと聞き、とても心配しておりましたが、すでに退院し、今は復帰に向けて準備をしておられるとのことで、一安心しています。一日も早い、氏の復帰を願い、彼へ贈る日本からのメッセージとして、この作品が初演されることとなったことを私は大変うれしく思っています。


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写真はそのシュヴァイツェル氏が書かれた、この作品のもととなった絵でもある木の絵。氏のお宅の玄関ホールに飾られているのを写真に撮ってきたもの。
この絵の生命力の溢れる何かが、私には勧進杉の強烈な印象と重なり、いつしか1つの音楽へと昇華していったのだ。
この絵の転載は堅く禁じられていますので、ご注意下さい。
by schweizer_musik | 2011-05-17 22:58 | 音楽時事
コンサート解説シリーズ (9)
6月3日のノイエ・ムジカ東京の第一回定期演奏会のプログラムからラヴェルの名作「亡き王女のためのパヴァーヌ」の解説を。

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ラヴェル作曲 亡き王女のためのパヴァーヌ

ラヴェルはフランスのスペイン国境に近いバスク地方に生まれました。だからでしょうか、スペインに因んだ作品を数多く作曲しており、スペイン狂詩曲やハバネラ形式のヴォカリーズなどがあげられます。そしてこの「亡き王女のためのパヴァーヌ」もそうしたスペインに因んだ作品であります。
この作品は、ディエゴ・ベラスケスが描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを受けて書かれたと伝えられています。ただ、「亡き王女」というのはフランス語で韻を踏んでの言葉遊びのような感じでつけられたタイトルだと言われていて、果たしてこの絵の話もどれだけ本当のことかは分かりませんが、この作品がラヴェルがパリ音楽院在学中に書いて、大評判をとった出世作であったことは間違いのないところです。
もともとピアノ曲として書かれ、後に作曲者自身の手でオーケストレーションをされています。今回はホルン奏者の小谷氏の希望でもあり、この作品を私がノイエ・ムジカのために編曲いたしました。ハープがいないし、弦楽も3名ですので、ラヴェルのようにはとても行きませんが、室内楽らしいものが作れたのではと考えています。


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写真は前と同じくラインの滝近くのスイス国鉄の車窓の風景。
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by schweizer_musik | 2011-05-17 21:44 | 音楽時事
コンサート解説シリーズ (8)
6月3日のノイエ・ムジカ東京の第一回定期演奏会のプログラムから津田理子さんのソロによるドビュッシーの作品2曲の解説を。

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続いてスイスのチューリッヒに住み、活発な演奏活動をしておられるピアニストの津田理子さんによるピアノの独奏をお楽しみいただきましょう。今回はノイエ・ムジカ東京と津田さん、そして最後の作品で登場いただく神戸フィルの福富さんのコラボレーションによる演奏会です。彼女のソロを演奏していただきたいとお願いして快くお受けいただき、次の3曲がプログラムに加えられました。

ドビュッシー作曲 「夢」
まず1890年にドビュッシーが書いた「夢」という作品で、後の「沈める寺」などに通じる古い教会旋法を、ドビュッシーが自分流に使うことで、なんともエキゾチックな音楽へと作り上げた美しい作品です。

ドビュッシー作曲 「スティリア風タランテラ」
後にただ「舞曲」とタイトルが変更されているものの、ちょっとそれでは何の曲か分かりづらいかもということで、最初のタイトルでプログラムにのせています。「夢」と同じ頃、1890年に書かれた作品で、スティリアとはオーストリアのシュタイヤーマルク地方のことで、八分の六拍子の速いタランテラのリズムで書かれています。六拍子と三拍子を混ぜるヘミオラの技法を使っており、ペンタトニック風の出だしと、それを打ち消すスケールの組み合わせがいかにもドビュッシー好みのメロディーで、この頃すでに彼は自分のスタイルを確立していたことを示しているようでもあります。
またラヴェルがこの作品を殊に好み、オーケストラ用に編曲していることでも知られます。

ドビュッシー作曲「映像」第2集より第3曲「金色の魚」
津田さんのピアノ・ソロの最後は1907年にドビュッシーが書いたピアノ独奏のための「映像」第2集から第3曲「金色の魚」です。
「映像」は破棄されたものを除いて全部で3つ書かれました。第1集と第2集がピアノ独奏のための作品で、第3集が管弦楽のための作品です。第1集の冒頭で「水の反映」という音楽が書かれていますが、この第2集の最後におかれた「金色の魚」は別に対になるように書かれた作品ではありませんが、もう1つの水の反映と言っても良い見事な作品です。
リストの「エステ荘の噴水」から連綿と続く素材、イマジネーションのドビュッシーなりの1つの結論とも言うべき傑作です。作品は、ドビュッシーの机の上に飾られていた日本の漆器に金粉で描かれていた錦鯉からイメージして書かれたそうです。金魚ではありませんので念のため…。
しかし、ドビュッシーの手によって、錦鯉が泳ぎだし、水面にキラキラと反射する光がピアノで生き生きと表現されているところは見事と言う他はありません。


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写真は ラインの滝近くのスイス国鉄の車窓の風景。私の最も好きなスイスの風景である。そしてこんな風景がどこまでも続いている…。
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by schweizer_musik | 2011-05-17 18:56 | 音楽時事
コンサート解説シリーズ (7)
6月3日のノイエ・ムジカ東京の第一回定期演奏会のプログラムからイベールの木管五重奏のための3つの小品について。

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イベール 作曲 木管五重奏のための3つの小品

1890年にパリに生まれたジャック・イベールは、フランス近代を代表する作曲家の一人です。彼を評して軽妙洒脱、新鮮にして繊細…。パリ音楽院ではミヨーやオネゲルと同窓でしたが、六人組の仲間に入らず、独立独歩の道を進んで行きます。
ドビュッシーの影響がまだ濃厚な「寄港地」で世に出ましたが、エキゾチシズムにカフェの音楽の要素を加えつつ、独特な作風を確立していきました。
この木管五重奏のための3つの小品は1930年に書かれた作品で、ガーシュウィンなどのアメリカのジャズの要素をサラリと自分のものにしつつ(第1曲、第3曲の序奏はガーシュウィンへのオマージュではと思わせます)、他の誰のものでのない、イベール自身の音楽になっているところが、この作品の魅力なのではないでしょうか。
第1曲は勢いのある序奏の後、軽快にスウィングする主題が提示されます。ガーシュウィンの「ボギーとベス」の序奏を思い出させます。第2曲はフルートとクラリネットの親密で美しいダイアローグ。第3曲は序奏でブルーノート風の響きがまたまたガーシュウィンの有名な作品を思い出させますが、その後はフィナーレに相応しい軽快な音楽が続き、ワルツなどイベールらしいカフェ・ミュージックの雰囲気を少し取り入れ、再び最初の軽妙な音楽へと戻ります。
もちろん、オリジナル版による演奏で、高橋(fl)、笠井(ob)、櫻井(cl)、小谷(hr)、内田(bsn)の5名にて演奏いたします。


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写真は更に更に、ブリエンツ・ロートホルン山頂の風景。建物は一件だけのホテル。最終列車が出発した後のこのホテルの宿泊は得難い体験であった。今から20年近く前に、ここに飛び込みで泊まったことがあったが、すばらしい体験だった。部屋にトイレはなく、各階に共同のトイレとバスがあるだけであるが、清潔で大変気持ちの良い滞在だった。
九月の終わりで、宿泊客も少なく(私を入れてほんの数名…だった)、静寂とはこういうものかと思い知った…。あれからなかなか泊まる機会がないのは残念だが、出来ればまた泊まってみたいものだと思っている。
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by schweizer_musik | 2011-05-17 18:23 | 音楽時事
コンサート解説シリーズ (6)
5月31日の東神奈川のかなっくホールでの「第四回津田理子音楽の集い」でのプログラムからリムスキー=コルサコフの「熊ん蜂の飛行」とラヴェルの「ハバネラ形式のヴォカリーズ」。

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リムスキー=コルサコフ作曲 歌劇「皇帝サルタン物語」より「熊ん蜂の飛行」

ポピュラー音楽にまで編曲されて親しまれているこの作品は、もともと1889年から1890年にかけて書かれたプーシキン原作による歌劇の第3幕で演奏される音楽です。したがって、原曲は二管編成のオーケストラ曲ですが、今回はノイエ・ムジカのメンバーのソロをフューチャーした編曲でお楽しみいただきます。曲の最後で、トランペット奏者にご注目下さいませ。

ラヴェル 作曲 ハバネラ形式のヴォカリーズ

ラヴェルはスペインにほど近いバスク地方のシブールに生まれました。母マリーはバスク人で、父はスイス人の発明家であったそうで、そんなことからスペインの音楽にはシンパシーを感じていたようです。
この曲は、1907年に作曲された母音のみで歌われる声楽作品ですが、ハバネラのリズムが終始一貫して鳴り続け、フリギア旋法を基調として、スパニッシュな雰囲気を豊かにもつ音楽となっています。
この魅力ゆえか、ヴァイオリン、オーボエなど様々な楽器のために編曲されていますが、今回は声楽パートをオーボエに移し、ピアノのパートをアンサンブル用に編曲してお聞きいただきます。


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写真はブリエンツ・ロートホルン鉄道の車窓の風景から。かなり上の方に来てから途中のプランアルプあたりを見下ろした風景。巨大なカール(氷河の後退した後の地形)であることがわかる。
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by schweizer_musik | 2011-05-17 15:54 | 音楽時事